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指定暴力団山口組五菱会（「２代目美尾組」に改称）系のヤミ金事件の被害者らが１６日、「違法な高利で貸付金の返済を迫られ、精神的苦痛を受けた」として、ヤミ金事業を統括していたとされる梶山進被告（５５）＝公判中＝を相手に、元金を含めて支払った全額の返還と慰謝料の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。代理人によると、原告は北海道や大阪、宮崎など１３都県の８２人、請求総額は１億１０００万円という。
訴状によると、梶山被告が統括していたとされるヤミ金業者は、出資法の上限（年利２９．２％）を大きく超える１０００％以上の年利で貸し出しを行っていた。代理人は「原告は暴力的な取り立てで私生活の平穏を侵害された。被害の回復には実際の損害額のほかに、制裁的な慰謝料を課すことが必要だ」としている。
梶山被告がスイスの銀行に隠匿し、スイス当局に没収された約５４億円を巡っては法務省が、被害者に直接返還する方法も視野に入れ、スイス側と協議している。
原告側の「全国ヤミ金融対策会議」は、警察当局の協力を得て五菱会系の６１業者を特定して被害者を探し出した。第２次提訴のため、さらに参加者を呼びかけている。
(11/16 11:53)