2004年11月14日(日) 02時36分
フジチク牛肉偽装 農水省、全箱検査行わず(産経新聞)
牛海綿状脳症(BSE)対策の国産牛肉買い上げ事業をめぐる名古屋市の食肉卸「フジチク」グループの牛肉偽装事件で、農林水産省が同グループが申請した肉への全箱検査をせず、抽出検査も全体の0・3%しか行っていなかったことが十三日分かった。
補助金適正化法違反容疑で逮捕されたグループ会長の藤村芳治容疑者(62)は、買い上げ窓口の「愛知県同和食肉事業協同組合」(県同食)の代表理事も務め、農水省から検査対象の箱を事前に知らされていた。同省が厳密に調べていれば不正を防げた可能性が高い。
農水省などによると、抽出検査は平成十四年一、二月に実施。県同食が申請した計七万四千五百二十六箱(約千二百四十六トン)のうち、検査されたのは計二百五十八箱で肉の切り方などを調べ「問題なし」と判定した。
同年一月、雪印食品の牛肉偽装事件が発覚、同年四月には全箱検査に変わったが、県同食分は検査済みとして対象から外された。農水省は検査前に対象の箱の番号をファクスで通知。県同食は同年中にすべての肉を処分。同省は不正を見抜けなかった。
(産経新聞) - 11月14日2時36分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041114-00000020-san-soci