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2004年11月14日(日) 00時00分

「裁判所」「法務局」かたる架空請求横行朝日新聞・

●女性狙って電子料を請求  国民生活センター 注意呼びかけ

 「裁判所」や「法務局認可」をかたった架空請求のはがきや封書が急増している。これまでは男性あてにアダルトサイト閲覧代金を請求する手口が中心だったが、新たに女性を対象に法的手続きを装って請求するケースが目立ってきている。その手法を追った。
(石田一光)
 
 「『電子消費料』って何?」

 6日、福岡市早良区の会社員(53)の携帯電話に、妻(42)からメールが届いた。聞いてみると、妻あてに届いたはがきの内容だった。

 はがきには「電子消費料金未納分請求最終通達書」とあり、差出人は東京都台東区の「○○債権株式会社」。「『電子消費者民法特例法』上の法務局認可通達書」とし、「連絡がない場合、裁判所への出廷や給与差し押さえとなる」と書いてある。さらに「裁判取り下げ最終日」として「11月8日」を指定。請求金額などは「当局職員に確認を」となっていた。

 会社員は「役所のような文章で、巧みに電話させようとしている。通販でも利用していたら『ひょっとして』と悩んだだろう」と話す。

 会社員の了解を得て9日、記者が女性の声色で電話してみた。出たのは若い男。受話器の向こうはざわついた雰囲気で、名前や電話番号を言うと「お調べしますね。……あー、電子料金が支払いになってません。裁判所に告訴されてます」。

 この会社の顧問弁護士が、告訴の取り下げをしてくれるという。費用を聞くと「全国一律48万円です」。しかも、後で返すという。「そんなお金ありません」と答えると、「死に物狂いで集めて。消費者金融とかあるでしょ?」「もう手続きは始まってます。時間が来たら取り下げられない」とたたみかけてきた。

 金の振込先は、弁護士の口座だといい、ATM(現金自動出入機)を使うよう指示して、「イトウ」と名乗った。

 しかし、電子料金って? イトウ氏は「何年か前に使った携帯とかインターネット、テレビの受信料とか、通信関係ですね」と説明した。

 被害も発生している。10月27日、行橋市内の女性(71)宅に、同じようなはがきが届いた。電話すると「息子さんが料金を未納。払わないと大変なことになる」と言われ、計771万円を振り込んでしまった。

 裁判所を名乗る事例もある。北九州市立消費生活センターはこのほど、「新手の架空請求」として注意を呼びかけた。

 封書で、手紙には「司法処分出廷要請最終通達書」。はがきと似たような内容で「民事告訴を受けたので出廷するよう」求めている。

 「東京地方裁判所裁判部第63民事執行センター第6法廷」などと出廷場所が記してある。東京地裁によると、センターは実在するが、「第63」「第6法廷」は存在しない。全国各地に送られているとみられ、同地裁には10月下旬以降、約100件の問い合わせがあったという。

 国民生活センター(東京都)によると、架空請求に関する相談は1〜6月で計32万550件。前年同期から3・5倍に急増。裁判所などをかたった新手の架空請求について、同センターは5日から、ホームページで注意を呼びかけ始めた。「電話すると番号が知られるので、利用した覚えがないのなら無視すること。発送元が裁判所だった場合は、裁判所や消費生活センターに確認を」としている。(11/14)

http://mytown.asahi.com/fukuoka/news02.asp?kiji=7296