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2004年11月09日(火) 00時00分

インターネット:子どもとネット わが家のルールを作ろう−−落とし穴に気をつけて毎日新聞

 パソコンや携帯電話の普及で子どもたちに身近になったインターネット。友人や仲間づくりに便利な道具だが、注意しないとトラブルや詐欺などの被害に巻き込まれる危険性もある。【明珍美紀】

 ●ネットで不当請求

 東京都内の中2の男子の携帯電話に今年7月、「携帯電話の着信メロディーが無料でダウンロード(自分のパソコンにコピー)できます」という宣伝メールが届いた。「無料なら」と発信元の所在(URL)をクリック。数日後、見知らぬ男性から「3万円を支払え」と携帯電話に連絡があった。幸い、その後、連絡はなかった。

 九州に住む男子高校生は携帯電話に来たメールを開いたら、出会い系サイトにつながった。面白半分で「入会ボタン」をクリックすると、「10日以内に登録料3万円を支払うように」と画面に表示。振込先の口座が記入されていたという。

 国民生活センターによると、未成年者のインターネット関連の相談は、02年度の4521件から03年度は1万4998件に急増。「最近、多いのは興味本位で出会い系サイトにアクセスし、入会料や登録料を請求されるケース」という。

 「確かにサイトの利用規約に有料だと記されているものもあるが、ほとんどは本人が気づかずボタンを押してしまう」。悪質な場合は延滞料などが加算され、「何十万円という高額な請求を押し付けてくることもある」という。

 その場合も「本人が規約をよく読んでいなかったことなので救済方法はある。早めに地元の消費者センターに相談を」と助言する。

 ●掲示板の買い物は

 「電子商取引推進協議会」(ECOM)では、子どもが巻き込まれやすいトラブルに掲示板での買い物を挙げる。掲示板に「チケットを譲ってほしい」「CD買います」などの書き込みをし、応答してきた相手の口座に代金を振り込んだが品物は届かない、といった被害だ。

 相手の所在が確認できる場合は、メールや電話で連絡を取り、返金を求めていく。所在が分からないときは、警察に届け出たり、振込先の金融機関や掲示板の管理者に事情を説明して、相手を突き止める。「すべてが危ないわけではないが、リスクが高いことは事実。買う前に相手をよく確認してほしい」と担当者は話す。

 ●家庭や地域では

 こうした被害を防ぐにはどうすればいいか。

 「情報モラル」の学習を授業に取り入れる東京都北区立赤羽台西小の野間俊彦教諭(49)は「何か起きたら親やまわりの大人に言える環境をつくることだ」と説く。パソコンは家族が集まる居間に置き、「メールや掲示板にうそや悪口を書かない、出会い系サイトにアクセスしないなど、わが家のルールを決めるといい」。

 また、町田市立真光寺中では先月、各クラスでネット社会の「光と影」について話し合う授業を行った。発案した一人、吉岡順子教諭(42)は「インターネットでは親より子どもの方が詳しい『逆転現象』もある。ネットのマナー教育は学校でも触れていく必要がある」

 地域での取り組みも始まり、東京都はこの秋、市民と行政が連携し「ネット社会と子どもたち協議会」を結成。野放しのネット情報について「市民社会としての一定のルールを確立すべきだ」などの緊急提言を都に提出した。

 「インターネットは危険に近づかなければ、便利で役立つ道具。そのためのルールやマナーを家庭でもぜひ話し合って」と野間教諭は話す。

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 ●トラブルの相談先

▽国民生活センター(http://www.kokusen.go.jp)

▽ECOMネットショッピング紛争相談室(http://www.ecom.or.jp/adr/)

▽インターネットホットライン連絡協議会(http://www.iajapan.org/hotline/)

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/archive/news/2004/11/20041109ddm013040045000c.html