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ポイントがたまれば、いつでも使えるはずのポイントカード。だが、突然の閉店や有効期限切れで、ポイントが使えなくなった人は少なくないようだ。憤りの声が多く寄せられた。
「近くのスーパーが何のお知らせもなく閉店し、千六百円分のポイントが使えなくなった。六千円分をためた友人も『不満の持って行き場がない』と嘆いていた」と怒るのは、品川区の無職女性(71)=所持カード一枚。
この女性は、全国展開のスーパーが発行する別のカードも持っていたが「高額の婦人スーツを買ったのに『(専門店なので)そのカードは使えません』と言われ、嫌な気分を味わった。このスーパーのカードは破り捨てた」と不信感を抱く。
「せっかくためても、期限切れで悔しい思いをすることが多い」のは、練馬区の主婦(38)=七枚。「ためていたことを忘れちゃう」とか。川崎市幸区の主婦(34)=十六枚=も「一年でポイントが消えるクレジットカードを持っているが、有効期間が短すぎる」と不満を漏らす。
ポイントカードの専用ケースを持っている神奈川県伊勢原市の主婦(60)=三十枚以上=は「デパートで入会金を払ってカードを作ったのに、ためたポイントを使おうと思ったら、店員に『それ(期限が)終わってます』と言われた。すごく腹が立った」と打ち明ける。
ポイントカードが増えすぎて、よく利用する店のカードだけ持ち歩く人は多いはず。だが−。
横浜市都筑区のパート女性(44)=二十八枚=は「かさばるので、その日に使いそうなカードだけ財布に入れて出かける」ことにしているが、「予想外の買い物で、必要なカードが入ってなかった時の悔しさといったら…」と絶句する。
一方で、「ポイントは貯金だと思えばいい。ないよりあった方が絶対に得」と言い切るのは、千葉県君津市の家事手伝い女性(28)=四枚。「よく行くスーパーでは、一袋二十九円のもやしに二〇ポイント付くので実際は九円。こんなに安く買える店はほとんどない」と、ポイント還元を楽しむ。
埼玉県坂戸市の無職男性(68)=五枚=は「電気カミソリの値段を比較したら、ポイントを発行しない市内の店より、ポイントを発行する都心の店の方がポイント分だけ高かった」と指摘。それでも、「都心の店は品ぞろえがいいので、電車賃がかかっても利用する」と、ポイントより選ぶ楽しさにこだわっている。
「(ポイントが)ある程度たまると、余計な買い物をしてしまうことがある」と反省するのは、神奈川県藤沢市の教員男性(49)。カードは「数え切れないぐらい持っている」が、「何のために買い物をしているのか分からなくなることがある。余り(ポイントの)損得に執着せず、さっぱりしていられることが、うまく使いこなすコツかも」
このほか、「スーパーはなるべく『ポイント二倍』の日に利用する」と高い還元率を狙って買い物をする人や、「ポイントカードの会員になるには、クレジットカードにも入会しなければならない店がある。使わないクレジットカードが増えて困っている」と言う人も。
都消費生活総合センターのまとめによると、ポイントカードに関する苦情や相談は、二〇〇一年度の十八件から〇二年度の四十七件へと倍増。〇三年度も四十件を超え、担当者は「確実に増えている」と話す。相談内容は「ポイントカードを申し込んだのに、クレジット機能を付けられた」などが目立つという。
個人情報の提供に関する不満も複数あった。
中野区の編集者男性(47)=三枚=は「近くのスーパーでは(ポイントカードの申込書に)職業や趣味、家族構成まで書く欄がある。そこまで必要なのか」とした上で、「個人情報の流出が社会問題にもなっている。不必要な情報の提供を拒否する姿勢が必要だと思う」と強調している。
文・森川清志
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