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2004年11月08日(月) 07時04分

おれおれ詐欺 悪の手口“日進月歩” 東北でも被害増河北新報

 おれおれ詐欺の手口の多様化が進んでいる。交通事故を装って示談金を請求するお決まりのパターンに加え、医療ミスや借金トラブルを種に金を無心する手法が目立つ。緊急車両のサイレンを効果音に使って臨場感を出すなど巧妙さも増す。被害(1—8月)は全国で100億円を突破。東北でも6億3600万円に達しており、各県警は注意を促している。

 看護師見習の娘を持つ仙台市青葉区の女性(50)に9月中旬、娘を名乗る女が泣きながら電話をかけてきた。「薬を間違えて子どもの患者を死なせた」。「院長」という男に代わり、「病院が責任を取るが、娘さんにも200万円用意してほしい」と要求した。

 女性は女が泣き声だったので娘の声との違いが分からず、金の振り込みを了承したが、後で本物の娘から電話があり、詐欺と気付いた。

 青森県の女性は9月初め、ドスの利いた声の男から電話を受けた。娘の名を挙げ、「ヤクザから金を借りている。きょう中に300万円を振り込まないと、娘をマグロ船に乗せてひどい目に遭わせる」とすごんだ。

 「娘」も泣きじゃくって電話口に出たので、信じそうになったが、直後に本人と連絡が取れ、事なきを得た。犯人は娘の名前を知っており、個人情報の流出をうかがわせる。

 交通事故に見せ掛ける定番の手口でも、サイレンのほか、被害者とされる相手の泣き声や、事故処理の慌ただしい効果音などを吹き込み、不安をあおる。摘発から逃れるため、金の振り込み先の口座番号を直前まで明かさない周到さも見せている。

 東北各県のまとめによると、被害は1—8月で青森約1億700万円、岩手約1億3000万円、宮城約1億9500万円、秋田約4100万円、山形約5800万円、福島約1億500万円に上る。

 宮城はその後も被害が拡大し、9月末で約2億3900万円に増加。7—9月の3カ月間で、6月までの半年間を上回る1億3300万円の被害が出ている。

 各県警は「身内にアクシデントが起きたと聞くと、どうしても焦ってしまうが、一呼吸置き、本人に確認したりして冷静に対応してほしい」と呼び掛けている。
(河北新報) - 11月8日7時4分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041108-00000006-khk-toh