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請求の一部の1億円返還を命じたヤマギシ側敗訴が確定した。
女性側の弁護士によると、ヤマギシ側に財産の返還を求め7件(原告29人)の訴訟が起こされたが、最高裁判決は初めて。地、高裁で係争中の4件(同16人)の訴訟に影響を与えそうだ。
判決理由で滝井裁判長は、全財産を渡した契約や行為について「脱退で法律上の原因を欠くことになった」と指摘、女性に不当利得の返還請求権があることは認めたが、脱退までの生活費がヤマギシ側の負担だったことなどから、全額の請求権は否定。
財産の総額や生活期間、年齢などの事情を考慮し「合理的で相当と認められる範囲に限られる」と結論付け、約2億5000万円の請求に対し、1億円とした2審判決の結論を是認した。契約中の返還請求を制限する部分については公序良俗違反で無効と認定した。
判決によると、女性は1989年に返還請求は一切しないと誓約し、3億円以上の財産を「ヤマギシズム生活実顕地調正機関」に渡し、子どもとともに移住。しかし「一部の者が権力を握ってぜいたくしている」などと失望し、95年に脱退したが、約4000万円が返されただけだった。
1審東京地裁判決は約2億4000万円の返還を命じたが、2審で減額され、女性が上告していた。
(11/05 17:58)