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海外への販売促進業務を担当する勝浦啓太さん(29)は「入社当時は紙だらけの職場だった。ペーパーレスになった当初は『本当に捨てていいのか?』と心配になった。でも、紙だと埋もれるとどこにあるか分からなくなるが、デジタルなら一発で検索できて効率的」と、ペーパーレスの効果を実感する。
職場の座席数は、社員数の六割。このため、社員は空いている席を自由に使うシステム。「だいたい、仕事のメンバーが集まっているところに座る。明るい窓際がいいですね」と勝浦さん。
また、セキュリティー対策で保護されたネットで、自宅や外出先から自由に会社のウェブやメールにアクセスできるので、会社に居るのと同様に仕事ができる。「仕事は海外とのやり取りが多いが、時差を気にせず仕事ができ、業務効率も向上した」と話している。
社員のパソコンは無線LAN(構内情報通信網)内蔵で、職場のどこでも使える。会社の各種連絡や仕事上のメール、不在時の電話の伝言、会議開催の案内などがパソコンにどんどん入ってくる。会議はウェブ会議で、画面上の同僚たちと、画面上の資料を見ながら話し合う。パソコンにワイヤレスイヤホンを組み合わせると、たちまちIP電話に早変わり。「ワークスタイルが変わり、会議などの効率が断然上がった。場所と時間の制約がないので集中して仕事ができる」と営業の佐藤正格さん(24)。
ブロードバンドの活用で同社では、電話の取り次ぎなど無駄な電話時間が77%、出張などの交通費は55%、コピー・プリントアウト枚数は66%、それぞれ削減されたという。給与明細、健康診断の申し込み、その検査結果、出張旅費の精算、人事異動の発表などもウェブ上で。もちろん、パスワードなど厳重なセキュリティー対策が施されている。
昼食風景も変わった。ネットで弁当を注文するシステムもあるが、最新の社員食堂が、川崎市中原区の同社玉川事業場にある。並べられた料理皿の裏にICタグ(電子荷札)が張られている。好きな料理を盆に載せて読み取り機にかけると、コンピューターが自動的に計算、料金が自動的に給与から差し引かれる仕組み。同事業場の小寺謙治さん(45)は「精算で並ぶことがなくなり、昼休み時間が長くなった気がする」と喜んでいる。
職場のIT化は時代の要請。これからは、情報流出を防ぐセキュリティー対策や、パソコンが苦手な中高年対策などが課題となりそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20041104/ftu_____dgi_____004.shtml