2004年10月30日(土) 00時00分
個人情報買い取り勧誘 ブローカー、貸金業者狙いDM 宮城県内(河北新報)
「営業に好都合な生のリストがある」などの触れ込みで、個人情報を売買する複数のブローカーが昨年から、宮城県内の貸金業者などにリストの買い取りを持ち掛けていることが分かった。まとまった件数の一括購入を求めることが多く、ダイレクトメール(DM)などでリストのサンプルを送ってくるケースもある。リストの闇取引は個人情報保護法で禁止されるが、来年4月の施行までタイムラグがあり、今後さらに活発化する可能性もある。
仙台市内の貸金業者は今年4月、電話で勧誘を受けた。相手の男は「最新のリストがある。消費者金融の利用者リストだ」などと言った。が、電話の着信番号が携帯電話だったこともあり、業者側は警戒心から応じなかった。
「電話帳から貸金業者を絞り込んで、売り先を探しているのではないか。うちは事業者向け融資がほとんどなので、個人のリストは必要ない」とこの業者は話す。
別の業者には昨年来、DMが繰り返し届いた。リストには「○○大学卒業者」「○○県の30代サラリーマン」「○○県の商工業者」などのタイトルが並び、具体的な氏名などを書いたサンプルが添付してあった。DMの発送元は東京都や福岡県、北海道などだった。
宮城県南の業者に届いたDMは「県別の社長」「自己破産者」などのリストを扱っているとの内容。価格は一件当たり20—30円。数千件から数万件単位で一括購入を持ち掛けている。
ブローカーの動きに対し、宮城県貸金業協会は「ブローカーが扱うリストは不当な手段で外部に流出したと疑うべきだ。買い取りを求める動きは今後も続くとみられるが、絶対かかわるべきでない」と貸金業者に注意を呼び掛けている。
[個人情報保護法]5000件以上の個人情報をデータベース化した事業者が対象。個人情報について(1)本人同意を得ない第三者提供の禁止(2)不正な手段による取得の禁止(3)利用目的の通知、公表—などを義務付け、情報漏えいが起きた場合、改善命令に応じない事業者には罰則が科せられる。業界ごとの指針も策定中で、本人同意のない目的外利用にも罰則が検討されている。
http://www.kahoku.co.jp/news/2004/10/20041031t13020.htm