2004年10月28日(木) 10時48分
マイクロソフト、無償配布ソフトを違法コピーの「踏み絵」に(CNET Japan)
違法コピー対策に力を入れるMicrosoftは、その取り組みの一環として、正規のWindowsを利用していることが確認できた顧客にスライドショー作成ソフトを無料で提供し始めた。
Microsoftは27日(米国時間)、Photo Story 3をリリースした。これは音楽やナレーションつきのスライドショーを作成するための同社ソフトの最新版だ。このソフトの旧バージョンは、Microsoft Plus Digital Media Editionという20ドルのバンドル製品に含まれていた。
Microsoftは今回このソフトウェアを無料で配布することにしたが、その代わりにWindows Genuine Advantageというパイロットプログラムへの参加を顧客に求めている。このプログラムでは、Windowsユーザーがオンラインツールを使って、自分のPCが正規ライセンスを受けたWindowsを使用しているかどうかをチェックする。
「問題は、多数のユーザーが違法なソフトウェアを使用していることだ。そうしたユーザーのなかには、騙されて違法コピーを購入しながら、自分は正規ライセンスのWindowsを使用していると思っている顧客がかなりの割合で混じっている」と、MicrosoftのDavid Lazar(Windows Client部門ディレクター)は述べている。
Windows Genuine Advantageプログラムは先月から始まったものだが、開始時点では正規ライセンスのユーザーが特に恩恵を受けることも、あるいは違法コピーのユーザーにペナルティが課されることもなかった。
ソフトウェアの違法コピーは、Microsoftにとって何年も前から続く大問題だ。同社のWindowsオペレーティングシステム(OS)は、全世界のコンピュータの90%以上で使われているが、ロシアやブラジルなど違法コピーの問題が深刻な新興市場では、Windowsの成長率がPC出荷台数の伸びに追い付いていない。これらの市場では、Windows非搭載のPCのうち、後からWindowsの違法コピーをインストールして使われているものが相当な割合に上るというのが同社の考えだ。
Microsoftも主要メンバーとして参加するBusiness Software Allianceの推定では、毎年290億ドル相当の違法コピーが出回っており、ソフトウェアメーカー各社に被害を与えているという。ただし、同グループによる被害額算定の方法については、一部から疑問の声も上がっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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