2004年10月28日(木) 00時00分
産廃不法投棄 市が環境調査見直し(朝日新聞・)
岐大教授 鉛を検出 気象条件も加味 岐阜市椿洞の産業廃棄物不法投棄事件で、同市の細江茂光市長は27日、現場の排水から基準を超す鉛が検出された問題を受け、市の環境調査をより綿密に行う考えを明らかにした。また、鉛を検出した岐阜大の粕谷志郎教授は、周辺の土壌からも鉛などが見つかったことを発表した。
不法投棄現場の排水について、市のこれまでの調査では、基準を超す有害物質は検出されていなかった。ところが粕谷教授らの調査では、雨天時に採取した2検体から、水質汚濁防止法の排水基準(1リットル当たり0・1ミリグラム)を上回る0・27ミリグラムと0・23ミリグラムの鉛が検出された。
この問題について、細江市長は定例記者会見で「今までの報告と異なり驚いている」と話し、市の調査方法を見直す考えを表明。市が今後行う現場や周辺の環境調査では、さまざまな気象条件のもとで検体を採取したり、複数の検査機関に検査を委託したりすることを検討していると述べた。
一方、粕谷教授はこの日、岐阜大学であった「エコビジネス研究会」で、これまで独自に行ってきた環境調査の結果を発表した。学生や一般市民、市職員ら約30人が傍聴した。
発表によると、排水の鉛以外にも、現場周辺の田んぼの土から、土壌汚染対策法の基準(1キロ当たり150ミリグラム)は下回ったものの、最大107ミリグラムの鉛を検出した。
また、環境調査の検査項目には含まれないが、周辺の土や米、ミミズから通常は検出されないバリウムが見つかっており、さらに詳しい調査が必要だと指摘した。
粕谷教授は「不法投棄現場周辺だけで高い数値が出ているので、産廃による汚染の可能性が高い。相当量の重金属類が地中に浸透していると推察できる。なるべく早く産廃を撤去するべきだ」と話している。
(10/28)
http://mytown.asahi.com/gifu/news02.asp?kiji=3785
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