2004年10月28日(木) 15時32分
三菱地所など捜索 府警(産経新聞)
OAPのマンション
土壌汚染隠し販売容疑
大阪市北区の大型複合施設「大阪アメニティパーク」(OAP)で「三菱地所住宅販売」(東京)が地下水汚染の事実を隠してマンションを販売したとして、大阪府警生活経済課は二十八日、宅建業法違反(重要事項の不告知)容疑で同社大阪支店や、事業主として開発した不動産大手「三菱地所」(東京)大阪支店と非鉄金属大手「三菱マテリアル」(同)大阪支社など計四カ所を捜索、強制捜査に着手した。
OAP内のマンションは平成十四年に汚染が発覚するまで二棟約五百戸が販売されており、府警は悪質な情報隠しと判断した。地下水汚染問題での同法適用は異例。
捜索の直接の容疑は、三菱地所住宅販売の男性社員が平成十三年十二月下旬、OAPに建設された高層マンション一戸を男性(五六)に販売する際、敷地内の地下水から国の基準値を超えるセレンやヒ素などの有害物質を検出した事実を意図的に隠し、売買契約を結んだ疑い。
マンション二棟は十年と十二年にそれぞれ完成。OAPを開発した三菱地所などは、九年以降の調査で環境基準の最大六十五倍のヒ素や八十三倍のセレンなどを検出、土壌を直接採取した影響調査でも基準値の一・三倍の鉛を検出しながら「一帯の地下水は飲用されておらず安全上問題ない」として公表しなかった。
こうした問題は分譲後の十四年十月、住民の指摘などで発覚した。十五年一月には、汚染土壌の処理をしていないのに処理したとする虚偽報告書を大阪市に提出していたことも判明し、周辺約八千六百平方メートルで土壌入れ替え工事が実施された。大阪市もマテリアル社に、汚染の敷地外拡散の有無を確認するための地下水調査を指導した経緯がある。
OAPは旧三菱金属(三菱マテリアルの前身)大阪精錬所跡地を再開発した複合施設。
捜索を受けたことについて三菱地所住宅販売は「詳細が分からないのでコメントできない」、三菱地所は「宅建業法に反するようなことはないと確信している」とコメント。三菱マテリアルは「結果として汚染の公表が遅れただけで、意図的な情報隠しと思っていない」としている。
(産経新聞) - 10月28日15時32分更新
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