2004年10月28日(木) 17時46分
ヤミ金融業者のDM多発 大手消費者金融名乗り−−県内でも被害 /熊本(毎日新聞)
実在する大手消費者金融を名乗り、ダイレクトメール(DM)を不特定多数に送りつけて融資を持ちかけるケースが、全国で発生している。「三洋信販」(福岡市)は顧客からの相談もあり、顧客情報流出との因果関係を「確認されていないが、可能性は否定できない」という。大手の社名を使って信用させ、申し込んだ相手から高金利を取り立てるヤミ金融業者の手口とみられる。
毎日新聞が入手した三洋信販を名乗るDMはシール式で、開封すると「ご融資のお知らせ」として融資可能額や返済例に加え、「社長」のあいさつ、利用者の感想などが顔写真付きで紹介されている。しかし社のロゴマークや住所、社長の名前は実際と異なり、サービスダイヤルの電話番号は既に使われていない。
このDMを受け取った熊本県の30代女性は8月、サービスダイヤルに50万円の融資を申し込んだが、「信用が必要」として先に5万円入金するよう指示された。女性は5万円を2回に分けて指定口座に振り込んだが、さらに「あと5万円入金すれば、55万円を融資する」と言われた。結局、融資が受けられないまま連絡が付かなくなった。
同社によると、社名をかたったDMは今年に入り全国で多発。融資を募るほかに架空請求の手口もあり、実害を受けた相談もあるという。ホームページや無人店舗内などで注意を促し、被害を受けた場合は警察に相談するよう説明している。
一方、「三和ファイナンス」(東京都)を名乗ったDMは、同社が実際に実施している「30日間無利息サービス」などがうたい文句。記載の貸金業登録番号や東京都貸金業協会会員番号は架空だが、「信頼と実績で選ばれて(現利用者数)現在15万人」などと勧誘している。同社は「悪質なDMが流れているのは把握しており、社内で対応している」と話す。
いずれの手口も、正規の融資を案内しながら、実際に借り入れを申し込んだ相手には「信用が付くまでは小口融資を受けてもらう」などとして保証料を要求して行方をくらます「保証料詐欺」の手口とみられる。【石川淳一】
10月28日朝刊
(毎日新聞) - 10月28日17時46分更新
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