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ソフトバンクは26日、英通信大手の日本法人ケーブル・アンド・ワイヤレス・アイディーシー(C&WIDC)を買収する、と正式発表した。英通信大手ケーブル・アンド・ワイヤレス(C&W)グループが保有する発行済み株式の約98%を取得、買収額は142億円(債務19億円含む)。C&Wは日本から事実上撤退することになる。ソフトバンクは日本テレコムに続いて国際通信に強いIDCを傘下に収め、NTTを追い上げる体制づくりを急ぐ。
計画では、買収は04年度中に完了する。社名は変える意向はないといい、約700人の従業員も維持する。今後は、日本テレコムが12月に始める格安の固定電話と同様のサービスを準備、法人営業を強める。
IDCは国際通信の売り上げは国内2位だが、料金競争などに押されて業績は低迷、04年3月期は66億円の当期赤字。しかし、国際通信が中心だけに法人15万回線、個人8万回線の利用単価は高く、「優良な顧客が多い」(ソフトバンクBBの宮川潤一取締役)という。
ソフトバンクは7月末に日本テレコムを3400億円で買収。主力のADSL(非対称デジタル加入者線)やIP(インターネット・プロトコル)電話では個人に偏っていた顧客層を、法人にも広げようとしている。今回のIDC買収で法人顧客数は日本テレコムと合わせて約180万に達する。日本テレコムと重複する通信回線網の統合で約70億円のコスト削減が見込めるため、IDCは早期に黒字化できる、としている。
英C&Wは今後、日本で新たに支店を置き、外資系企業向けのサービスは続けるとしている。
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〈C&WIDC〉 伊藤忠商事や英C&W、トヨタ自動車などが86年に出資して設立した国際電話の「国際デジタル通信企画」が前身。99年、C&WがNTTと買収合戦を繰り広げ、株式公開買い付け(TOB)で約97%の株を取得、現在の社名に。日本初の外資系通信会社としてデータ通信や国際・長距離通信事業などを展開してきた。04年3月期の売上高は前年同期比6.6%減の713億円、当期損益は66億円の赤字。(10/26 21:48)