2004年10月23日(土) 02時49分
台風被害、野菜価格安定へ 形不ぞろいでも、成熟前でも出荷 農水省指導(産経新聞)
台風と長雨の影響により秋冬野菜価格が高騰しているため、農水省は二十二日、価格安定のための対策に乗り出した。野菜が未成熟な段階でも出荷する「早出し」や形が不ぞろいな規格外品の出荷を農家に指導するほか、生育の早いホウレンソウなどの生産奨励金を支給する方針。大手スーパーは海外から品薄の野菜の緊急輸入を始めた。
葉が冠水や雨に弱く腐る葉物野菜の影響が深刻で、極端な品薄となっている。品目によっては年内出荷が半減し、年末まで品薄高が続く見通しで同省も対策を決めた。
価格安定化策として、農水省は高値のキュウリなどは規格外品の出荷を促し、葉物はホウレンソウ、コマツナなどの生育が早い軟弱野菜に生産奨励金を支給し出荷量を確保する方針。だが、「レタス、キャベツの平年水準への回復には時間がかかる」(石原葵次官)と絶対量不足の状態はしばらく続くとみている。
首都圏では主産地の茨城県でレタスの出荷量が例年の半分。ほかにもハクサイやキャベツ、コマツナが高騰している。
東京都中央卸売市場・築地市場の今月第一週(一−七日)と第三週(十五−二十一日)の卸売価格(平均値)を比較すると、茨城県産レタスは十キロ=二千四百四十一円が七千六百十三円と約三倍に上昇。二十一日には高値が一万二千六百円まで付いた。埼玉県産キュウリも五キロ=千六百六十三円が三千百六十八円まで値上がりした。
レタス産地の茨城県では、今月上旬の長雨に加え台風22、23号による降雨の影響で県西部のレタス畑が全面的に冠水。全農茨城県本部では「十一月に天候が回復しても、年末までの最終的な出荷量は例年の50−60%になる」という。
スーパーでは、ダメージを受けた部分を取り除いたカット野菜を販売したり、被害を受けていない産地からの仕入れを増やすなど対応に追われている。イトーヨーカ堂はカリフォルニア産レタスを緊急輸入し、二十四日から首都圏など百二十六店舗で販売する。
(産経新聞) - 10月23日2時49分更新
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