2004年10月22日(金) 21時33分
全農子会社輸入の黒豚肉、「鹿児島県産」と偽装販売(読売新聞)
全国農業協同組合連合会(全農)の子会社が輸入した黒豚肉が、鹿児島県の業者によって鹿児島産の黒豚肉に偽装、販売されていたことが22日、農水省の調査で分かった。
同省では、子会社が偽装に直接関与した事実は確認できないものの、子会社の業務管理が不徹底だとして、全農に対し業務改善命令を出すことを決めた。
同省によると、全農の子会社の「組合貿易」(東京都千代田区)は、1999年8月から昨年3月にかけ、カナダ産と米国産の黒豚肉計約2060トンを都内の食肉商社に販売。このうちの一部を購入した鹿児島県鹿屋市の食肉卸売会社「大隅産直センター」が、同県産の黒豚肉に偽装、販売していた。
偽装工作は、同センターの従業員らが同県内の倉庫などで、同県産表示のある箱に詰め替える手口で行われていた。同省の調査では、組合貿易が偽装に直接関与した事実は確認されなかったが、組合貿易は同センターの資金繰りに協力するなど密接な関係にあり、同省は「偽装を全く疑わなかったというのは納得できない」として、全農に対し、真相究明や子会社の管理の徹底などを求める業務改善命令を出すことにした。
同センターについては、神戸市内の食品会社に偽装豚肉を販売したとして今年3月、不正競争防止法違反などの容疑で社長が鹿児島県警に逮捕、起訴され、同7月、鹿児島地裁で有罪判決が出されている。
(読売新聞) - 10月22日21時33分更新
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