悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年10月21日(木) 02時21分

西武鉄道株、インサイダーの疑い 証券監視委、コクド担当者聴取産経新聞

過少記載伝えず売却
 西武鉄道がコクドなどグループ会社による保有株比率を有価証券報告書に過少記載していた問題で、証券取引等監視委員会がコクドの担当者らから事情聴取を始めたことが二十日、分かった。コクドは過少記載の公表前、取引先企業に事情を説明しないまま西武鉄道株を売却したといい、証券取引法違反(インサイダー取引)にあたる可能性がある。また、西武鉄道による過少記載も同法で禁じられた「虚偽の有価証券報告書提出」の疑いがあり、証券監視委は引き続き関係者から事情を聴くなど慎重に調査を進める。
 関係者によると、コクド側は西武鉄道の過少記載が公表される前の八月から九月にかけて、西武鉄道株の買い取りを取引先の飲料会社、ゼネコン、商社、鉄道車両メーカーなど二十社以上に打診。うち少なくとも十数社が、当時の時価水準の一株千円から千二百円で買い取っていた。
 購入した企業の多くは産経新聞の取材に対し、コクド側から過少記載の事実や西武鉄道株が上場廃止基準に抵触する恐れがあることを一切説明されていなかったと回答した。一部の企業は堤義明前コクド会長から直接購入を持ち掛けられたとしている。
 西武鉄道が十月十三日に記者会見で過少記載を公表した後、同社の株価は当時の半値近くまで下落。公表前にグループ外企業へ売った株は計約五千五百万株とされ、購入企業のこうむった含み損は単純計算で総額三百億円以上に達する。証券取引法では、企業内部の重要情報を知った役員らが情報公開前に、その企業の株を売買するとインサイダー取引にあたると規定している。
 証券監視委は関係者への事情聴取などを踏まえ、コクド側が売却先企業に、過少記載していたことなど株価を左右する重要事実を説明していたかどうかを調査する。過少記載やコクドの株売却が証取法違反にあたると判断すれば、刑事告発も視野に立ち入り検査を含む「犯則調査」に踏み切る方針だ。
 コクドの説明では、個人名義約千二百人分の西武鉄道株が、実質的にコクドと子会社のプリンスホテルの所有株だったことが社内調査で判明。西武鉄道が有価証券報告書などを訂正した結果、発行済み株式数に占める上位株主十社の持ち株比率は63・68%から88・57%となった。東京証券取引所の基準では、大株主の上位十人と役員の持ち株比率が80%を超えたまま一年経過した場合、上場廃止となる。
 西武鉄道は「コクドに聞いてほしい」と話し、コクドは「答えられない」としている。
     ◇
 【証券取引等監視委員会】平成3年に発覚した証券会社による損失補填(ほてん)などの証券不祥事を契機に、4年7月発足。株価操作やインサイダー取引など不正な証券取引を監視しており、米国の証券取引委員会(SEC)と同様の機能を持つ。金融庁、国税庁、検察庁などが人員を派遣しているほか、弁護士や公認会計士、民間の実務経験者らで構成。委員長と委員2人の下に実務を担当する事務局が置かれ、裁判所の令状を得て関係個所を家宅捜索する強制調査権限が与えられている。15年7月−16年6月の証券取引法違反容疑での刑事告発は10件。
(産経新聞) - 10月21日2時21分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041021-00000000-san-bus_all