2004年10月21日(木) 15時44分
三セク社員ら6人逮捕 カボチャ産地偽装の疑い 大阪府警(産経新聞)
大阪市の第三セクター「大阪港埠頭(ふとう)ターミナル」(大阪市港区)の青果産地偽装事件で、大阪府警生活経済課は二十一日、トンガ産カボチャを、品薄だったメキシコ産に偽装して出荷したとして、不正競争防止法違反(原産地虚偽表示)の疑いで同社青果事業部次長、高田良幸容疑者(五三)=兵庫県宝塚市=ら社員四人と、荷主の青果商社「ローヤル」(京都市下京区)の当時の広域営業部係長、井上直彦容疑者(三五)=京都市伏見区=ら元社員二人を逮捕した。
ローヤル側はスーパーなど取引先との商談で決めた通りの産地で出荷するためターミナル社側に指示。同社側も荷役の仕事を失うのを恐れて従ったとみられる。メキシコ産はトンガ産よりやや高価とされ、府警は差益の有無などについても調べ、長年の慣習だった偽装の全容解明を急ぐ。他に逮捕されたのはターミナル社側が青果営業課長、千速隆史(四七)▽総務部事務主任、宮崎崇(三五)▽青果営業課員、尾崎哲生(三〇)の三容疑者。ローヤル側が元野菜部主任、豊田龍一容疑者(三一)。
調べでは、高田容疑者らは共謀し平成十三年十二月初旬から同月中旬に五回にわたりトンガ産のカボチャ一五・一トンをメキシコ産の箱に詰め替えて偽装し出荷した疑い。同容疑者は「三年前のことなので記憶にない」と容疑を否認、他の五人は認めているという。
青果業界関係者によると、この季節は、市場の輸入カボチャの主流がトンガ産からメキシコ産に切り替わる時期。ローヤルは「取引先に商談通りの商品を出荷できなくなり穴埋めするためだった。欠品で取引中止になるのを恐れたようだ」と説明している。
一般にメキシコ産カボチャはトンガ産より価格が高いとされるが、ローヤルは「(偽装で)九十万円の損が出た」としている。
ターミナル社の産地偽装は今年七月に発覚。府警は中国産ブロッコリーを米国産に偽装した不正競争防止法違反容疑で捜索したが、公訴時効が成立している時期だったことが判明。ブロッコリーでの立件を見送りカボチャに切り替えていた。
(産経新聞) - 10月21日15時44分更新
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