2004年10月20日(水) 05時03分
電話加入権を廃止 段階的に5年後メド 情通審部会答申(産経新聞)
情報通信審議会(総務相の諮問機関、情通審)の電気通信事業部会は十九日、固定電話に加入する際にNTT東西に支払う七万五千六百円(税込み)の電話加入権(施設設置負担金)を廃止するよう答申した。答申を踏まえ、NTT東西は月内にも具体的な方針を示す。法改定などを経て、早ければ来年度から約五年をかけ段階的に値下げして撤廃する方向だ。売買可能な財産と受け止められている加入権の廃止は、企業や一般利用者に影響を与えそうだ。
電話加入権は、固定電話網の円滑な拡張のための資金調達という名目でNTT東西が徴収してきた。だが、近年は加入者回線設備の新規投資が終了し、投資資金を調達する意味が低下している。
答申は「施設設置負担金が固定電話の新規加入者の妨げになっている。NTT東西が今後の料金環境へ対応するために自らの料金戦略として廃止することを容認できる」と明記。
また、NTTが平成十四年から、電話加入権料の代わりに基本料に六百七十二円を上乗せする「ライトプラン」についても、「見直しの必要性がある」として値下げを容認した。
ただ、電話加入権は市場で売買されており、企業も価値が目減りしない無形固定資産として計上している。このまま廃止されれば、取引事業者や既存契約者からの反発が予想されるため、答申は「国民の理解を得られるよう十分な説明責任が必要だ」として、廃止までに周知期間を設けるよう要請した。
答申を受け、NTT東西は来春までに段階的な加入権の値下げ時期などの具体案を総務省に提出。同省は税法など関係法令の改正などの必要な措置について関係機関との調整を行う。
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≪電話加入権≫ 正式には施設設置負担金といい、固定電話に新規加入する際、NTT東西地域会社に支払う料金のこと。固定電話の全国網整備のため昭和27年に徴収を始め、昭和60年のNTT民営化以降は7万2000円に固定された。実際に支払う額は消費税込みの7万5600円だが、電話の加入権は取引業者を通じて売買できるため、正規価格よりも廉価で販売されている。平成14年2月からは加入権料を払わない代わりに月額基本料が高い「ライトプラン」も導入され、新規契約者のほとんどが利用している。
(産経新聞) - 10月20日5時3分更新
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