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ソフトバンクは、三期連続で最終赤字を計上しているものの、一般回線を利用したADSL(非対称デジタル加入者線)サービスでは、子会社の「ヤフーBB」がトップ。
七月に約三千四百億円で日本テレコムを買収、NTTがほぼ独占していた固定電話の基本料市場に戦いを挑み、料金値下げ競争の口火を切った。並行して携帯電話事業への新規参入を表明、事業開始に必要な免許の取得を目指している。
ほぼ市場が飽和状態になった固定電話、携帯電話で勝ち残るには、NTTやKDDIなどから顧客を奪うことが最重要課題。そこで孫正義社長が注目したのは、球団保有による知名度アップだ。
年間約千数百億円かかるヤフーBB、日本テレコムの新規顧客獲得費用が一割削減できたとしても、百数十億円の経費が浮くと計算した。球団経営でダイエーが十億円前後の赤字を出しても、孫社長は「広告宣伝費と考えると十分まかなえる」とそろばんをはじく。
球団保有による「知名度アップ」で本業のすそ野拡大を狙うのはライブドアの堀江貴文社長や、楽天の三木谷浩史社長も同じ。三社は自社のPRのほか、インターネット上での試合配信や、関連商品の販売など、野球をビジネス拡大のチャンスととらえる。
ソフトバンクの子会社ヤフー、楽天、ライブドアは六本木ヒルズにオフィスを構え、IT業界の「勝ち組」といわれる。「(三社それぞれが)プロ野球というコンテンツ(情報の内容)を持ち、ライバルに差をつけたいのではないか。参入争いに名を借りた本業の“代理戦争”の様相だ」(JPモルガン証券の木村健太郎シニアアナリスト)との見方もある。 (市川千晴、桐山純平)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20041019/mng_____kei_____003.shtml