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「上ばかり見る『ヒラメ裁判官』はいらない」「神髄は自分の信念を貫くことにある」——。新任裁判官の辞令交付式で18日、最高裁の町田顕長官がこんな異例の訓示をした。「最高裁が官僚的に統制した結果、裁判所が市民の思いに十分応えていない」などとする批判もあるなかで、長官自ら改めて裁判官の存在意義を説いた格好だ。
この日、辞令を受けた裁判官は108人。職業裁判官出身で民事裁判を多く担当してきた町田長官は「上級審の動向や裁判長の顔色ばかりうかがう『ヒラメ裁判官』がいると言われる。私はそんな人はいないと思うが、少なくとも全く歓迎していない」と語りかけた。「みなさんはなぜ裁判官になろうと思ったか。何物にもとらわれず、自分の信念が貫ける仕事だと思ったからではないか」
また、異分野の人と積極的に交わり、コミュニケーションの力を磨くことも求めた。
現在進められている司法改革では裁判官のあり方が改めて議論になっており、そうした中での発言となった。
最高裁長官の発言は過去にも話題になったことがある。吉田茂内閣の指名で就任した田中耕太郎長官は1955年、松川裁判批判が巻きおこった際に「世間の雑音に耳をかすな」と訓示した。「司法の危機」と言われた71年には石田和外長官が「思想の自由、裁判の独立をことさら強調している」などと一部の裁判官を批判し論議を呼んだ。(10/19 00:19)