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2004年10月18日(月) 00時00分

【検証−広がる”オレオレ詐欺”】 ㊦朝日新聞・

 被害防止へ / 警察や銀行・地域が連携 

 後を絶たない「オレオレ詐欺」。警察と金融機関、地域などはスクラムを組んで被害を防ごうと努めている。県内外の取り組みを紹介する。

 能都町と柳田村の連合防犯協会は3月、「オレオレ詐欺に注意」と記したステッカー約6千枚を管内全世帯に配った。電話機など目に付くところに張ってもらっている。

 能都署によると、管内では、1月からの被害は未遂3件にとどまっている。いずれも50代の女性が電話を受けたが、不審に思って息子に確認するなどして被害に遭わなかった。

 県警も6月、県内の金融機関の関係者らを集めて、「オレオレ詐欺」防止対策会議を開き、「その『振込』ちょっと待った」と大きな文字で記したチラシを配布。「警察が事件や事故の示談金に介入することは絶対にありません」と注意を呼びかけた。

 窓口業務担当者向けの防止マニュアルも作った。定期預金を解約するなど多額の現金を引き出す▽客が慌てている▽振込先が東京や大阪など遠方の金融機関になっている−−などに気付けば、声をかけるよう指導している。

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 新潟県柏崎市は、教育関係者だけに配信していた防犯情報の対象を8月から地域の住民全員に広げた。「不審な電話がかかってきた」などの情報を希望者に素早く電子メールで送る。

 これまでに住民270人余が登録し、18件が配信された。うち2件は「オレオレ詐欺」に関するもので、メールを見た女性から「おかげでひっかからなかった」とお礼の報告も。地区の防犯連合会は10月から、撃退方法を収めたビデオ(15分)の貸し出しを始めた。

 柏崎市市民活動支援課の担当者は「警察と連携して、色々な形で素早く情報を伝えるようにしている」と話す。

 また、広島県内では高齢者を対象に、デイケア施設への行き帰りのバス車内で「撃退法」のテープを流したり、僧侶が説法の際に取り入れたりしているという。

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 金融機関の努力で被害をくい止めたケースも少しずつ増えている。北陸銀行(富山市)の内生蔵正秀・管理担当部長に話を聞いた。

  −−どれくらい防ぎましたか 

 10月14日現在で計53件、総額5516万円です。被害を窓口で未然に防いだ行員らの体験談をビデオに収録して支店に配ったり、職員研修に生かしたり。防いだ行員への報償もありました。

  −−客にどう対応するのですか 

 「早く振り込みたい」「大変なんだ」とお客さんは焦っていますが、まず落ち着いて家族らに確認してもらいます。説得に半日以上かかったケースもあり、詐欺の具体例を説明したり、銀行まで警察官に来てもらったりもします。押し切られることもありますが、間違いなく詐欺と思われる場合では、こちらの判断で手続きを遅らせ、防いだこともありました。

  −−なぜ被害が減らないと思いますか

 「オレオレ」という言葉が独り歩きし、それに引きずられているところもあると思います。もう誰も「オレオレ」と電話をかけてこないですから意識を変えなくては。

 (この連載は野上英文が担当しました)(10/18)

http://mytown.asahi.com/ishikawa/news02.asp?kiji=8031