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東京中心部でこれまで随一の安さを誇ってきたのが、「515ラーメン大久保店」(新宿区)の「正油ラーメン」で税込189円。「尾道らーめん 柿岡や」などを展開する「太魯閣(たろこ)」(品川区)のフランチャイズ店で、同社の工場で全食材を製造しているため、この価格でも「(原価と価格は)トントンくらい」(同社)。
ラーメン以外に、「回鍋肉定食」(税込609円)や「エビチリ」(税込819円)など中華メニューや酒類も充実しており、客単価は「平均500円程度」(同)を見込んでいる。
肝心のラーメンの中身だが、具は小さなナルトとチャーシューのみ。細麺に濃いめの醤油スープで量はやや控えめだが、「頼むのはラーメンだけという客が半分以上」(大久保店店員)という。
ほかに都内に直営店も2店あるが、太魯閣は「これ以上展開する予定はない。今後はより利益率が高い『柿岡や』のほうに力を入れる」と激安路線には消極的な姿勢だ。
その一方でここ最近、東京で急激に店舗数を増やしている激安チェーン店が「ラーメン一番」(大阪市)だ。こちらの看板メニュー「びっくりラーメン」も税込189円。平成9年、大阪市内に第1号店を出店してからわずか7年で、全国に120店舗以上の巨大チェーンに成長した。
東京進出は一昨年7月。墨田区、江東区など下町を中心に店舗展開してきたが、高田馬場、千駄木、中野など徐々に中心部にも出店し、「年内に東京で30店舗を超える予定」(同社)だ。
「515」とは異なりあくまでメニューはラーメン中心。塩ラーメン、みそラーメンなどが税込294円、餃子(6個)は税込189円と軒並み安いが、「原価割れはしていない」(同)と胸を張る。
安さの秘密は「515」同様、食材をセントラルキッチンで自家製造していることと、機械を導入して調理法を徹底的にシステム化し、人件費をカットしたこと。「野菜を切る以外に包丁は使わない」(都内店員)ほど徹底している。
例えば麺ゆでは時間が来ると自動的に湯の中から麺を入れたザルが上がり、湯切りもジェットタオルと同じ原理の機械を用いて1秒で完了。「1週間もあれば調理は覚えられる。変なクセがついた経験者よりも素人の方がのみ込みが早い」(同)という。
こうして出来上がる「びっくりラーメン」は、チャーシュー、ノリ、ネギ、モヤシと具も豊富だ。煮込み野菜の旨みを加えたスープは薄口の醤油味に仕上がっている。
早稲田鶴巻店に昼食時に来店した客に話を聞くと、「今日で3回目。安くてうまいから毎週来ている」(40代男性)、「値段から考えれば十分な味」(20代男性)、「初めて来た。お金がないときにまた来るかも」(20代男性)とおおむね評判は上々。客足が途絶えることはなかった。
「安かろう、まずかろう」という常識を覆そうとする格安ラーメン。東京ラーメン戦争の震源地となることは間違いない。
ZAKZAK 2004/10/18