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2004年10月18日(月) 02時57分

「保証金詐欺」4年で相談件数25倍 「まず保証協会へ支払いを…」にご注意産経新聞

多重債務者をターゲット/元手かからずヤミ金関与?
 「オレオレ詐欺」など詐欺の手口が巧妙化する中、多重債務者を標的にして、保証金名目で金をだまし取る「保証金詐欺」が急増している。今年一月から全面施行となった貸金業規制法の改正で罰則規定が強化され、営業環境が厳しくなったヤミ金融業者が、元手のかからない「保証金詐欺」に乗り換えたとの指摘もある。国民生活センターでは「融資より先に保証金を請求してくるケースは信用しないほうがいい」として、注意を呼びかけている。(浅野英介)
 国民生活センターによると、消費者金融にからむ保証金に関する相談件数は、平成十一年度は六十七件だったが、年々増加。十五年度には千七百三十五件と約二十五倍にも膨れ上がり、今年もすでに千二百八十八件に達して昨年を上回るペースで増えている。
 国民生活センターに報告されている具体的な被害事例は−。
 《融資はがきを見て三百万円の融資を業者に申し込んだ。しかし、業者から「保証協会に保証金を支払うように」と言われ、求めに応じて三万円を支払った。さらに、「融資のシステム上の手数料」という名目で三十万円を支払ったが、融資は依然行われていない》(二十代・男性)
 《『おまとめローン』と書かれたダイレクトメールで、三百五十万円の融資を申し込んだ。「保証金」を請求され三十万円を振り込んだが、さらに保証金が必要だとして、二十五万円を支払った。不審に思い返済を要求したが、「返済は一カ月後に」と言われただけで、返済も融資もまだ行われていない》(六十代・女性)
 「保証金」の名目として挙げられているのは、データの登録・抹消料、審査手数料、データ更新料…といったように実に巧妙だ。ダイレクトメール(DM)や、はがきの内容の多くが「低金利、保証人・担保不要」を強調しているのが特徴で、多重債務者が被害にあうケースが大半という。
 消費者金融に関する「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」(東京都大田区山王、TEL03・3774・1527)にも、こうした保証金詐欺に関する相談がここ数年増え始めているという。
 同協議会の本多良男事務局長は「借り手側にも確かに甘さはあるが、多重債務者の心理を巧みに利用した、悪質な手口」と憤る。
 同協議会では、保証金詐欺が急増している事態を重視。今月三十、三十一の両日、千葉・幕張で開催予定の被害者交流集会の分科会で、保証金詐欺の問題を取り上げる。
 保証金詐欺が急増している事態に、本多事務局長は「貸金業規制法の改正で営業がきつくなったヤミ金業者が、元手のかからない保証金詐欺に流れている。多重債務者が狙われており、被害が急増していることからいえば、『オレオレ詐欺』と同じくらいに事態は深刻」と分析。
 保証金詐欺の被害にあった場合には「早い段階で、最寄りの警察署や弁護士に相談する」とアドバイスしている。
(産経新聞) - 10月18日2時57分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041018-00000019-san-soci