2004年10月17日(日) 10時48分

ＮＨＫの報告「遅過ぎる」不正経理で会計検査院が指摘（読売新聞）

　チーフ・プロデューサーによる番組経費の流用が発覚したＮＨＫに対し、会計検査院が、「会計検査院法」で義務付けている報告が著しく遅かったなどとして、同法を順守するよう異例の指摘をしたことが、１６日わかった。

　検査院は、この問題を含め計３件約５１００万円分の不正経理について、「職員の規範意識が欠如していた」などと結論付け、ＮＨＫに内部監査の強化などを求めている。

　チーフ・プロデューサーによる経費の流用は今年７月中旬、週刊誌の記事をきっかけに表面化し、ＮＨＫは同月２３日、流用額が約４８００万円に上ることや、チーフ・プロデューサーを詐欺容疑で告訴したことを公表した。また、２００１年に上司の芸能番組部長（当時）が、不明朗な支払いがあるとの報告を受けていたことも明らかにした。

　ＮＨＫは、国民の受信料で運営されている特殊法人で、検査院の定期調査の対象。検査院法２７条は、調査対象の団体に対し、「会計に関する犯罪」が発覚した際、直ちに、内容を検査院に報告するよう義務付けている。

　検査院では、今回の経費の流用問題について、３年前に内部で察知されていたのに、週刊誌の報道後まで検査院に知らせなかったのは、同法の趣旨に反すると指摘し、この問題の後に相次いで発覚した一連の不正経理も含め、「直ちに報告すべきだった」としている。

　検査院は一昨年の決算検査報告で、ＮＨＫが所有する未使用の不動産の売却状況について取り上げたことがあるが、経理上の問題点を指摘するのは初めて。

　ＮＨＫ経営広報部の話「今後、同様の不祥事が発覚した場合、検査院に速やかに報告するよう内部態勢を改善した」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041017-00000201-yom-soci