2004年10月13日(水) 15時43分
時間指定、死後メール ネット心中(産経新聞)
7人 遺体、ひもで車に固定
埼玉県皆野町皆野の集団自殺で、男女七人の死亡推定時刻は十日深夜から十一日早朝だったことが十三日、同県警の調べで分かった。発覚のきっかけとなった同県所沢市の無職男性(二〇)のメールは、時間指定で札幌市の知人男性(二一)へ送られたとみられる。
また、秩父署の調べで同日、川崎市の職業不詳の男性(二六)の身元が新たに判明した。
調べでは、メールは七人の死亡後の十一日夕、知人のもとに届いた。男性がプロバイダーのメールサーバーで送信時間を設定する手法で、事前に流していた可能性が高いという。
同署によると、七人が死亡していたワゴン車は二カ所ある左右のドアがビニールひもで結ばれ、容易に開けられないようになっていた。
遺体の手首や胴体も、ビニールひもでハンドルなど車自体に固定されていた。
七人の一人とみられる東京都文京区の女性(三四)は今月五日、ネットで知り合った女性三人と東京都奥多摩町で練炭自殺を図り、警視庁青梅署員に保護されていた。
女性は四日夜、知人男性に「ネットで死に友達が見つかった」と電話しており、秩父署は皆野町での自殺も「ネット心中」の可能性が高いとみている。
≪東大阪男性ら 就職、進学など悩み≫
身元が判明した六人のうち三人は就職などでそれぞれ悩みを抱えていたという。
秩父署の調べでは、佐賀市の無職女性(二〇)は高校卒業後、定職がなく悩んでいた。自宅で長時間インターネットに浸る生活で、約一カ月前、自殺をテーマにしたサイトをのぞいているのを母親(五三)が見ていた。九日朝、「メル友に会う」と家を出たまま行方不明になった。
所沢市の無職男性も定職に就いていないことを悩み、北海道に住む両親に相談していた。十日朝、同居の弟(一九)に「今日も帰らない」と電話したのが最後だった。
東大阪市のアルバイト男性(二〇)は、二年続けて大学受験に失敗。父親は秩父署員に「四月から様子が変だった」と打ち明けた。自宅にパソコンはなく、インターネットカフェに通っていたという。九日朝、行き先を言わずに自宅を出ていた。
一方、青森県岩木町の大学三年の男性(二〇)は理工学部の授業をきちんと受け、九日も大学近くまで母親に車で送ってもらっており、家族に思い当たる節はないという。
八日に家を出たさいたま市浦和区の主婦(三三)の夫も「妻はインターネットに凝っていたが、自殺するような心当たりはない」と話したという。
(産経新聞) - 10月13日15時43分更新
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