2004年10月12日(火) 00時00分
オレオレ詐欺、銀行社員連携、未然に防ぐ(朝日新聞・)
りそな銀行あきる野支店五日市出張所(大橋守夫所長)の女性社員(22)らが、「オレオレ詐欺」にだまされかけて現金を振り込みに来た老夫婦を説得し、あわやのところで被害を防いだ。その10日ほど前、五日市署が地元金融機関を対象に詐欺対策講座を開き、同出張所の社員も参加。早速、効果が表れた格好だ。
同署によると、9月15日正午ごろ、あきる野市内の70代の夫婦が同出張所を訪れ、窓口の女性社員に「至急、青森銀行八戸市支庁支店に150万円を振り込んで欲しい」と申し入れた。2人のあわてぶりを不審に思った社員が上司に報告。別室で事情を聴いた。
夫婦によれば、孫を名乗る男の声で電話があり、「彼女を妊娠させてしまった。堕胎手術の費用150万円を振り込んで欲しい」と言われたという。「親には内証にして」と念を押し、「振り込んだら携帯電話に連絡を」とも言われたという。
上司は10日ほど前、五日市署の「金融機関責任者防犯対策会議」に参加し、「オレオレ詐欺」の実例を聞いていた。被害を未然に防いだという郵便局長から「高齢者や、あわてた解約などには気をつけて」と、留意点を直伝され、社員に伝えていた。
「すぐにお金が用意できなくても手術はできますから。とりあえず確認してみましょう」と老夫婦を説得。上司が警察官を装い、言われた携帯電話に連絡したところ、電話はすぐに切れ、以後通じなくなったという。
女性社員は「わかっていても、いざ自分の子どもが、孫が、となると動転してしまう。『早く振り込みたい』などと窓口で言われたときには、確認させ、安易に振り込みをさせないことが大切」と話している。
警察庁によると、全国での「オレオレ詐欺」の被害額は、今年に入って8月末までに100億円を突破した。前年同期の2・3倍にあたる。金融機関の対策も進んでいるが、ニセ警官や弁護士が登場するなど、新たな手口が急増し、8月だけで被害額は20億円を超え、歯止めがかからない状態だ。交通事故のでっち上げや消費者金融への返済、妊娠中絶費用を求めるなど多様。被害者は全体の約65%が40歳以上の女性となっている。
(10/12)
http://mytown.asahi.com/tama/news02.asp?kiji=3635
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