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2004年10月10日(日) 10時10分

偽造住基カード悪用、男が携帯契約で 東京・新宿区が告発朝日新聞

 氏名と生年月日が書き換えられ偽造された住民基本台帳カードが、東京都内の携帯電話販売店で身分証明に使われていたことがわかった。新宿区から1月末に発行されており、同区は7月下旬に有印公文書偽造・同行使の疑いで警視庁に告発、新宿署が捜査している。住基カードの偽造が発覚したのは佐賀県伊万里市に次ぎ2件目。総務省は関係機関に注意を呼びかけ、対策を検討している。

 同署や区などによると、偽造カードが使われたのは東大和市内にある販売店。3月末に、携帯電話の購入契約を申し込んだ男が身分証明書として提示した。

 男は、購入契約を申し込んだ際、申込人欄にカードに記されている名前とは違う氏名を記入していた。このため、購入契約を拒否された。

 連絡を受けた区が、販売店に残っているカードの写しと申請書類などを調べると、カードは1月末に発行され、2月中旬、紛失を理由に再交付されていたことがわかった。顔写真と住所はそのままだったが、氏名と生年月日が書き換えられていた。

 住基カードは、住民票交付などの行政サービスを受けるために使われる。公共機関から発行されているため、運転免許証と同様、「身分証明書」としても通用する。

 住基カードを巡っては、福島県相馬市や佐賀県鳥栖市で、別人になりすまして不正に取得する事件が起きた。このため、総務省は3月、交付手続きを厳格化した。しかし、佐賀県伊万里市では9月に偽造カードで携帯電話を買った疑いで男が逮捕された。

 総務省自治行政局は「内部のICチップの偽造は極めて困難だが、カードの表面については偽造の可能性は否定できない。カードの背景に絵などの画像をつけることも含めて、偽造防止対策を検討している」と話している。

(10/10 10:10)

http://www.asahi.com/national/update/1010/006.html