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2004年10月10日(日) 09時00分

携帯電話 学校防犯に一役 授業の“邪魔物”今は昔?京都新聞

河瀬中・高で運用している「河瀬あんしんネット」で受信したメールの画面    授業の妨げになるなどとして、県内では学校への持ち込みが禁じられてきた携帯電話。しかし、急速に普及した今、子どもたちの所在や安全を確めるための便利な道具として、次第に見直されつつある。彦根市内の高校で、携帯電話の電子メールサービスで、不審者情報などを発信する取り組みも始まった。同市内を中心に、学校での携帯電話利用の現状を探った。
 県教委学校教育課は2002年10月、県内の中学校と高校に対し、生徒が学校に携帯電話を持ち込まないように指導を求めた。授業中にメールを送ったり、着信音が鳴ったりして学業の妨げになる、というのが主な理由だった。
 出会い系サイトなどに簡単に接続でき、子どもたちが犯罪に巻き込まれる恐れもあるとして、県教委は今も基本姿勢を堅持している。
 しかし、最近、登下校中の子ども誘拐事件や傷害事件に遭遇する事案が全国的に増加傾向にあることを受け、教育現場の状況は少しずつ変わってきた。
 私立近江高(彦根市松原町)は、3年ほど前までは携帯電話を許可していなかったが、現在ではほとんどの生徒が携帯電話を学校に持ってきているという。
 岐阜県や大阪府からの遠距離通学者もいて、登下校に長時間を要する。生徒の安否の確認を即時にできることが、携帯電話の持ち込みを認めている理由だ。同高は「県教委の通知は知っているが、防犯面を心配する保護者の声もある。『授業中には使用しない』などのマナーをきちんと守らせた上で許可している」とする。
 県立河瀬中・高校(彦根市川瀬馬場町)は、不審者情報を携帯電話にメールで送信して知らせる「河瀬あんしんネット」を、今年8月から運用している。
 あらかじめ、利用を希望する保護者の携帯電話用メールアドレスを、同校のパソコンに入力。警察や保護者から不審者情報や災害情報が寄せられると、同校のコンピューターから注意喚起のメールを一斉送信する。
 10月初旬までに全校生徒960人のうち、130人以上の生徒の保護者が登録。これまでに十数件の不審者情報を送信し、送受のトラブルも起こっていない。
 保護者からは「子どもに携帯電話を持たせた方が、より効果的では」とする意見も多いといい、今西直隆教頭(52)も「放課後の時間帯に、情報を送れるのが利点だから、生徒に持たせる方が、このシステムをさらに生かせる」と話す。
 出会い系サイトなど、県教委が指摘する問題点もあることから、保護者へのメール送信にとどまっているのが現状だが、生徒が持つ方が有用との考え方が同校でも広がってきている。
 子どもの安全を守るため、携帯電話の防犯上の活用は、これからも加速する気配だ。
(京都新聞) - 10月10日9時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041010-00000002-kyt-l25