2004年10月09日(土) 17時10分
商工共済被害者が提訴 損賠拒否の県を批判−−知事「法的責任ない」 /佐賀(毎日新聞)
「すべての被害者を救済するため、出来れば法廷闘争は避けたかった」
佐賀商工共済協同組合の被害者弁護団は8日、佐賀地裁への損害賠償訴訟の提訴後に県弁護士会館で会見し、一貫して訴訟外での損害賠償を拒否し続けた県の態度を批判した。一方、古川康知事は「被害に遭われた皆様は大変お気の毒で、ご心労は大きいと考えている」と配慮を示しつつも、県の法的責任はないとする従来の立場は変えなかった。【宮本尚慶】
原告82人、請求額約4億円にも及ぶ訴訟だが、組合員全体の債権総額(約50億円)と比べればわずか。弁護団は11月にも2次提訴を予定しているが「訴訟に参加しない被害者にも損害賠償額に合わせた救済を要求したい」と“全面解決”を求める考えを強調した。
一方、訴状では前理事長の陣内孝雄・参院議員を「91年以降、組合の欠損を粉飾経理によって隠ぺいし、96年の辞任後も顧問の地位にありながら詐欺行為を放置した」として、個人被告5人のうち最も重い責任を負う立場に位置づけた。
陣内議員はこれまで一貫して「粉飾決算は全く知らなかった」と主張しているが、弁護団は「理事長の了解なく粉飾決算をすることはあり得ず、責任は疑う余地がない」と全面的に争う姿勢を示している。
陣内議員は「組合員の皆様の被害回復に向けて誠心誠意対応していきたい。(提訴については)訴状を見ていないこともあり、具体的なコメントは差し控えたい」としている。
10月9日朝刊
(毎日新聞) - 10月9日17時10分更新
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