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環境省は8日、温泉法を改正し、入浴剤の投入の有無や加温、加水などについての表示を義務づける方針を固めた。一連の不正表示問題で利用者の不信感が高まったことを受け、同省は約2万カ所の温泉施設にアンケートを実施。加水、加温、循環濾過(ろか)について7割以上が表示していない実態が分かり、同省は温泉への利用者の信頼を回復するため、泉質などの一層の情報の開示が必要と判断した。
現在、温泉法で表示が義務づけられているのは源泉の成分や禁忌症など一部で、浴槽の湯には規定がない。長野県・白骨温泉で表示せずに入浴剤を投入していたことなどが発覚し、利用者から情報開示の要求が強まっていた。小池環境相は同日の閣議後の記者会見で「早急に中央環境審議会で(法改正の)検討を願いたい」と述べた。
同省は9月、全国2万81カ所の温泉施設を対象に初の実態調査を行い、「循環濾過より源泉かけ流しが優れているとか、加水、加温が悪いとは一概に言えない」としながらも、正確な情報開示が必要と判断した。現在は開設時にだけ必要な温泉成分の分析も、定期的に行うよう見直す方針だ。
温泉法は、掘削の許可制など資源保護と利用者の健康被害防止を目的に48年に施行されて以来、初の本格改正になる。
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環境省の調査に回答した温泉は1万2122施設(回収率62.34%)。加水した浴槽があるのは33%で、うち非表示が77%。源泉の温度が高いことが理由のトップで54%あり、湯量不足を補う目的も21%あった。一方、52%の施設には源泉かけ流しの浴槽があった。
加温は51%の施設で行っており、うち74%が非表示。循環濾過装置は50%で使用し、うち81%では非表示で、浴槽からあふれた湯を循環させている施設も5%あった。調査時点では皆無だったが、過去に24施設が表示せずに入浴剤を投入していた。許可と違う源泉の使用も7都道府県で17施設あり、同省は都道府県を通じ詳しく調べる。
■温泉施設に関する環境省の調査結果
●入浴剤などを使用している浴槽の有無
表示せず現在も使用 なし
表示して使用 151カ所
表示せずかつて使用した 24カ所
●加水している浴槽の有無
有 32.5%
うち表示の有無
有 16.1%
無 77.2%
●加温している浴槽の有無
有 51.4%
うち表示の有無
有 19.2%
無 74.2%
●循環濾過装置使用の有無
有 50.4%
うち表示の有無
有 16.0%
無 80.8%
(10/08 13:47)