2004年10月07日(木) 00時00分

おれおれ詐欺を撃退 湯津上　近所付き合いがかぎ （東京新聞）

　預金通帳を預けるほどの近所付き合いが、おれおれ詐欺を撃退−。湯津上村で五日、相次いでいるおれおれ詐欺に狙われた高齢者が現金を振り込もうとしたところ、預金通帳を預けていた近所の主婦が機転をきかせ、間一髪、被害を防いだことが分かった。

　黒羽署の調べでは、五日午後零時十分ごろ、同村の一人暮らしの男性（７５）宅に、男の声で「お宅のせがれに三百万円貸している。全然返してくれない。半分は返してもらいたい。今、せがれがここにいるが、返してくれなければひどい目に遭う」などと電話があった。さらに別の男が泣きながら「助けてくれ」などと話し、息子を装った。

　男性は、息子の声だと信用し動転、預金通帳を預けている同村蛭田、農業蜂巣みえさん（５３）方に行き、息子の肩代わりに要求された現金を農協から振り込みたいと事情を説明した。蜂巣さんは、おれおれ詐欺の被害が相次いでいることを新聞で読んでいたため、男性を説得し同署に通報。同署が県内で働く息子に連絡をとり、電話の内容がうそだったことが分かった。

　男性は、蜂巣さん方に農作業を手伝いに行くなどして普段から仲が良く、一人暮らしで高齢なのを理由に通帳を預けていたという。お手柄の蜂巣さんは「やはりそうだったか」と話しているといい、同署は「強い近所付き合いが事件を防いだ」と話している。　（杉藤　貴浩）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20041007/lcl_____tcg_____001.shtml