2004年10月07日(木) 00時00分
運転中の携帯に罰則強化、ハンズフリー人気ハンズフリー機器が並ぶ自動車用品店の売り場=盛岡市上厨川で(朝日新聞・)
11月から、運転中に携帯電話を使った際の罰則を強める改正道交法が施行されるのに伴い、運転中でも携帯電話を持たずに通話できるハンズフリー機器の売り上げが伸びている。県警は「ハンズフリー機器は規制の対象外だが、できれば路肩などに停車した状態で使って欲しい」などと話している。
改正道交法では、運転中に携帯電話を持って通話したり、携帯電話の画面を見たりすると罰則の対象で、5千円〜7千円の反則金と免許の1点減点が課される。これまでの道交法では、事故を起こすなど「危険を生じさせた」場合にのみ、罰則が適用されていた。
法改正の背景には、携帯電話の使用中の事故を防ぐ狙いがある。県警交通企画課によると、県内では運転しながら携帯電話で話したことなどが原因で、01年に16件、02年に18件、03年に16件の人身事故が起きた。今年は、20代の女性が車を運転中、携帯電話でメール操作をしていたため電柱に衝突して亡くなった事故や、20代の男性が運転中に携帯電話の着信に気をとられ、原付きバイクに追突して大けがをさせる事故などが相次いでいる。
一方、自動車用品店では、改正道交法の規制対象外で、運転中でも携帯電話を持たずに通話できるハンズフリー機器に人気が集まっている。
盛岡市のイエローハット盛岡インター店では最近、1個1千円〜2千円ほどのハンズフリー機器が週に10個は売れるという。半年前は週に2個程度だったのと比べると、法改正が機器の売れ行きを後押しした形だ。
だが、買っていくのは業務用途に使う営業マンらがほとんど。同店は「売り上げは予想に比べていま一つ。普通の人はまだ罰則強化の認識が薄く、意外と軽く考えているのでは」などとも指摘する。
宅配業界大手の佐川急便によると、同社はハンズフリー機器による通話は危険だとみて、99年から自社の運転手には使わないよう指導している。運転手は業務用の携帯電話も持っているが、運転中はドライブモードにするか、着信したらすぐに路肩などに停車し、その後で話すよう指導しているという。
ヤマト運輸岩手主管支店は昨夏ごろ、ハンズフリー機器を県内300人の運転手に配ったが、今年5月に回収した。同支店は「運転中に受け答えすると、運転手の反応が遅れる危険があると分かったため」と説明する。
県警は「ハンズフリー機器でも、通話に気をとられて運転がおろそかになる危険がある。できれば停車してから通話して欲しい」などと呼びかけている。
(10/7)
http://mytown.asahi.com/iwate/news01.asp?kiji=6417
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