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新千円札の見本とされる「紙幣」が国内最大の競売サイト「ヤフーオークション」に出品された問題で、紙幣を印刷する独立行政法人国立印刷局は7日、「印刷局内で刷られたテスト券が流出した可能性が高い」と発表した。新千円札の製造にかかわった職員に聞き取り調査を進める一方、盗まれた可能性もあるとして、警視庁に被害届を提出する手続きを始めた。
出品された「紙幣」の写真を印刷局が詳細に分析したところ、偽造防止のために新採用された「潜像パール模様」や透かしの特徴などが、印刷局内で刷られたテスト券と一致していることがわかった。冨沢宏理事長は記者会見で「混乱を招いたことは誠に遺憾で、深くおわびする」と謝罪した。
印刷局によると、テスト券は縦44センチ、横64センチの大判用紙に20枚分ずつ印刷された。色合いを見たり、新札製造に職員を習熟させたりする目的で、東京都内など国内4カ所の工場で昨年7月から10月にかけて、大判用紙90万枚が刷られたという。
テスト券が保管される工場内の倉庫は施錠されており、1人では入れないなどの管理をしているという。廃棄の際は、工場内で1センチ幅に裁断して袋詰めにし、外部の業者に委託して焼却。職員立ち会いのもと、燃えかすの確認まですることになっているという。
テスト券の印刷には約700人の職員がかかわっており、冨沢理事長は「外部の人間が持ち出す可能性は非常に低い。内部からの流出が明らかになった場合は厳正に対処する」と話した。印刷局は流出経路などの調査のため、オークションに出品した中国人男性との連絡を急いでいる。
オークションは入札価格が同日午前に99億円を超えたため、管理者が出品自体を削除した。出品者の中国人男性は「いたずらとは思ったが、100億円近くに値上がり、本当に怖かった。削除されて良かった」と話している。
(10/07 20:30)