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2004年10月07日(木) 13時19分

ネットせりに新千円札“見本” 試し刷りが流出?読売新聞

 11月から使用が始まる新千円札の見本とうたった“紙幣”が、インターネットのオークションに出品されていることが7日、わかった。

 新札を印刷する独立行政法人国立印刷局では、試し刷りの段階で紙幣が流出した可能性もあるとして、調査に乗り出した。

 オークションに出されているのは、野口英世の肖像画が描かれた“紙幣”1枚で、新千円札と酷似している。中央には透かしのようなものも見えるが、本物の札に記載される製造番号や日銀総裁印はない。一般公開されている見本券とは違って、「見本」の文字が「みほん」と平仮名で記されている。印刷局では「色あわせのために試し刷りしたものには、平仮名で書かれているものもある。色合いも似ている」としている。

 試し刷りされたものは、局内で細かく裁断された後、職員が立ち会って焼却されており、「流出することは考えられない」としているが、印刷局として適正に処分されたかどうかなどを調査するという。

 オークションを運営している「ヤフー」によると、問題の“新千円札”が出品されたのは4日夜。だが、いたずらとみられる高額入札が相次いだことから、「取引の成立が見込めなくなった」などとして、同社は7日昼前にこの出品を削除した。

 印刷局では、“新千円札”が、部外者によって持ち出された焼却前の見本札と判明すれば、「窃盗容疑での告訴も検討する」としている。

 一方、もしも印刷局の職員が持ち出したことが明らかになった場合は、「想定していないケースなので、どのように告訴や局内処分をしていいか判断に迷う」(同局広報室)と説明している。
(読売新聞) - 10月7日13時19分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041007-00000204-yom-soci