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2004年10月06日(水) 03時07分

個人情報をネットに提供、詐欺幇助 容疑の女逮捕 警視庁、初の適用産経新聞

 インターネットショッピングでのブランド品詐欺事件で、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターと成城署は、ネット掲示板を通じて他人のクレジットカード情報を提供したとして、詐欺幇助(ほうじょ)の疑いで北九州市小倉北区霧ケ丘、元派遣会社社員、立林香奈容疑者(二八)を逮捕した。ネット上での個人情報売買が詐欺幇助で摘発されるのは全国初。
 調べでは、立林容疑者は平成十五年十月九日、ネットで商品詐取などを繰り返していたグループのリーダー、高田昌宏被告(三七)=詐欺罪で公判中=に対し、北九州市内に住む女性会社員のクレジットカード番号などの個人情報を一万円で販売した疑い。
 警視庁は、立林容疑者が詐欺に利用されると分かったうえで個人情報を提供していたと判断、詐欺幇助での立件に踏み切った。立林容疑者は容疑を認めている。
 立林容疑者は十五年四−六月にかけ、派遣先の携帯電話会社の支店で、契約者の申し込み控えを書き写して個人情報を盗み出していた。別の会社でも個人情報を不正入手しており、詐欺グループに売った個人情報は百七十八人分に上るとみられている。
 グループは、立林容疑者などから一人当たり一万円で約二百人分の情報を購入。カード所有者になりすまし、約三十社からパソコン周辺機器、ブランド品など四百万円の高額商品をネット販売で買っていた。さらに入手した個人情報をもとに、ネットオークションに必要なIDを五百個作成し、ネットで売りさばいたり、オークション詐欺に利用していた。
     ◇
≪裏サイト「野放し状態」…相次ぐ持ち出しに警鐘≫
 架空・他人名義の口座販売、免許証の偽造など、個人情報がさまざまな形で売買される「裏サイト」。警視庁は、こうした不正口座や偽身分証が犯罪の道具となっていることを重視、今年二月には密売目的の口座開設と買い取りを詐欺とみなし、電話代行会社「ふれあい友の会」役員ら四人を詐欺容疑で摘発した。今回、個人情報の提供者に対して初めて詐欺幇助容疑の適用に踏み切ったのも、相次ぐ個人情報の持ち出しと、ネット上にあふれる情報売買に警鐘を鳴らすためでもある。
 一連の事件で、詐欺グループの高田昌宏被告が運営していたインターネット掲示板「裏路地」も、そうしたサイトの一つだった。グループは互いに面識がなく、掲示板を通じて募った仲間。メールで犯行計画をやり取りし、「詐欺道具」も裏サイトで準備した。立林香奈容疑者も掲示板を見て、個人情報の売買を持ち掛けていた。
 乱立する裏サイトには、「保険証は、国民健康保険のみ。料金は三万円。一日で作成します」「実在口座高価買い取り。価格は二万五千円から三万円。通帳・印鑑・カード・暗証番号、身分証コピーのセット」などの書き込みが並ぶ。インターネットの普及とともに数年前から増え始め、オレオレ詐欺や架空請求などに使う道具を調達する「犯罪の温床となっている」(警視庁幹部)という。
 一方、口座売買は各銀行の規定で禁じられているが、罰則規定はない。個人情報の持ち出しや売買を取り締まる法律もないことから、「事実上の野放し状態」(同)になっている。
 七月上旬、警視庁は国内大手の検索サイト運営会社「ヤフー・ジャパン」など数社に対し、犯罪抑止の観点から裏サイトの検索結果を表示しないよう要請。これを受け、九月末までに千九百五十件が表示停止されたが、同社は「検索結果を表示停止しても、サイトや売買行為そのものがなくなるわけではない。本質的には、売買行為を取り締まる法律が必要ではないか」と指摘している。(住井亨介)
(産経新聞) - 10月6日3時7分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041006-00000018-san-soci