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2004年10月05日(火) 00時00分

下部温泉10軒 温泉じゃなかった記者会見で話す下部旅館振興協同組合の石部元章理事長=身延町朝日新聞・

  温度・成分基準下回る
  下部温泉の旅館やホテル10軒が「温泉」として利用していた地下水は、温泉でなかったことが4日分かった。10軒が加盟する下部旅館振興協同組合(27軒加盟)が発表した。県衛生公害研究所が分析したところ、温度も成分も温泉法の基準を満たしていなかった。10軒は今後、他の源泉から給湯を受ける予定。県は景品表示法違反の疑いがあるとして、5日に調査に入る。


  県がきょうから調査
  記者会見で同組合の石部元章理事長は「お客様を始めとする皆様の期待と信頼を裏切ることになった」と謝罪。分析の結果について、温度が21・7度と温泉法が求める25度に足りず、また成分も同法で決められた19種類のうち、どれも基準量以上を含んでいなかったと、明らかにした。

  10軒については、県の要請を受けて8月に同組合が実施した自主点検で、温泉利用許可を得ていなかったことが判明。その上、共同で利用していた地下水が、決められた分析機関の検査を受けていなかったこともわかり、先月9日に同研究所に分析を依頼していた。

  今後10軒は、同組合のほかの施設が利用する源泉を分けてもらう予定で、おおむね了解を得ており、石部理事長は「年末までには何とかしたい」と話した。また下部温泉がある身延町は新しい源泉の掘削準備を進めており、年内に掘削許可を県に申請する。

  10軒のうち8軒では、問題が発覚するまで入湯税を利用客から徴収してきたが、同町では返還はしない方針。「旧下部町が先月、返還しない方針を決めた。どの時点までさかのぼって返せばいいのか分からない。理解してもらうほかない」としている。

  同組合によると、温泉の利用客は年間15万人ほど。石部理事長は「9月は半減した」と感じているという。4日に下部温泉を訪れた65歳の夫婦連れは「ぬるくていい温泉と聞いて来た。憤りはないががっかりした。残念」と話した。

(10/5)

http://mytown.asahi.com/yamanashi/news01.asp?kiji=7827