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2004年10月05日(火) 00時00分

子どもを守ろう 読者と考える(上) 佐世保事件とメディア 東京新聞

■まず家庭に『居場所』を…

 現代的な犯罪から「子どもを守る」ことをテーマに四月から連載を始めて半年。この間も子どもが犠牲となる悲惨な事件が相次ぎ、本欄にもたくさんのご意見や感想が寄せられました。読者の反響を二回にわたって紹介します。(上)は長崎県佐世保市の小六女児同級生殺害事件やネットの影響などです。 (岩岡 千景)

 社会に大きな衝撃を与えた小六女児殺害事件。家裁佐世保支部は九月十五日、加害女児(11)を児童自立支援施設に送致する保護処分を決定した。加害女児には「交換ノートやインターネットが唯一安心して自己を表現し、存在感を確認できる『居場所』になっていた」という。

 本欄は七月二十七日から三回、「浸透するネット」で子どもとネットやメディアとの関係を特集。川崎市麻生区の主婦、宮田信子さん(60)は「子どもが犯罪に走る背景の一つは、愛情不足。今、現実の世界に居場所がない子がいかに多いか」とつづってきた。

    ◇

 実際に会って話を聞いた。「多くの子が『親が勉強しろと口うるさかったり、親が無関心だったりで家が楽しくない』と話す。安らげるはずの家庭がそれでは、子どもは居場所を失ってしまう」

 そして「周囲の大人が子どもたちにもっとかかわってほしい」と話す宮田さんは“マジシャン”の顔を持つ。六年前から、近くの市立長沢小学校でゲストティーチャーを務め、月二回ほど「手品クラブ」で高学年児童に手品を教えている。

 昨夏には近くの公園で連日深夜に高校生ぐらいの少年少女が騒ぐ出来事があった。住民の苦情を受けた自治会は公園に張り紙をして注意したが、ある晩、宮田さんはパジャマ姿で出向き、「親が心配しないの?」と尋ねた。少年たちは「(親は自分に)関心ないっス」と言いつつも帰り、騒ぎは収まった。

 「友人から『刺されるよ』なんて言われることもあるけれど、目線を同じにして話せば、たいていの子はいくらでも話をしてくれる。みんな愛情を欲しているんですよ」

 三歳で母親を亡くし、近所の人や学校の先生に支えられて育った子ども時代を振り返り、「今の時代なら、私も非行に走っていたかも。子育てを終えた私たちが経験を思い起こし、子どもたちに優しく声をかけよう」と呼びかけた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20041005/ftu_____kur_____000.shtml