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千葉家裁の書記官(当時40)が02年8月、少年事件427件の事務手続きを怠った上に、書類を改ざんして隠蔽(いんぺい)工作をしたとして懲戒免職になっていたことが分かった。審判不開始や、刑事手続きに移す検察官送致などの決定が出た際は、少年審判規則によって少年本人への告知が義務づけられているが、書記官が告知しなかったのは406件に上る。同家裁は発覚後、告知を受けていなかった少年全員に改めて決定内容を伝えて謝罪した。
朝日新聞記者の情報公開請求に対し、同家裁が開示した処分説明書などによると、書記官が事務手続きを怠ったのは00年4月から02年1月まで。審判不開始(288件)や検察官送致(86件)のほか、他の家裁や支部への事件移送(12件)や回付(20件)の決定が出た際、少年に告知しなかった。
書記官は告知していないことが発覚しないように、事件記録の「決定の告知」欄の「少年あて書面を送付」にチェックを入れて押印。郵便送付簿には告知済みとして記載されていた別の少年の名前を二重線で消し、その上に自分が担当した事件の少年の名前を書き込んで訂正印を押印するなどの改ざんをしていた。
このほか、保護観察中に別の罪を犯した少年21人に対する保護処分取り消しの事務手続きを怠っていた。
少年審判規則に罰則規定はなく、書類改ざんなどの行為について、家裁は「刑法には触れない」と判断。告訴はしなかったという。
千葉家裁の稲田龍樹所長は「関係者が長い間、不安定な状態に置かれていたと推察され、深くおわび申し上げたい。二度と発生しないように職員を指導、監督していきたい」とコメントしている。
(10/04 07:47)