2004年10月02日(土) 19時25分
<発明協会>1億5000万円不正受給 理事長が引責辞任へ(毎日新聞)
特許庁所管の社団法人・発明協会(理事長・吉田文毅元特許庁長官)が、同庁から受託した「出願適正化指導事業」など3事業の交付金を協会100周年事業などの人件費に流用していたことが会計検査院の検査で分かった。不正受給額は02、03年度で計1億5000万円に上る。協会は全額を同庁に返し、吉田理事長が引責辞任する方針。
特許庁によると、同庁は02、03年度、実用新案申請を望む企業向けにセミナーを開く「出願適正化指導事業」など5事業を協会に委託した。委託契約には必要人員が明記され、年俸制で人件費が算定されていた。委託費は計約26億円だった。
ところが、今年が創立100周年に当たる協会は大規模な記念式典などを控え、部内運営を柔軟化し、兼務制などを取った。協会には業務日誌がなかったため、検査院が聞き取り調査したところ、02、03年度の委託5事業の担当者延べ220人のうち、3事業の19人が式典準備など交付金の目的外の業務をしていたことが分かった。検査院は約26億円のうち、目的外に使われた人件費1億5000万円の返還を協会に求めた。
特許庁は昨年、所管法人の定期監査でこの問題を把握し、今年度から委託契約を年俸制から時給制に改めている。式典は5月26日、天皇、皇后両陛下や小泉純一郎首相を迎えて開かれた。【神戸金史】
特許庁総務課の話 発明協会には、日時を記録した業務日誌を整備させた。監査体制を強化し、再発を防ぎたい。
(毎日新聞) - 10月2日19時25分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041002-00000061-mai-soci