2004年10月01日(金) 00時00分

ペットボトルビール　発売断念 アサヒビール、消費者の声に配慮 （東京新聞）

　ビール最大手のアサヒビールは三十日、年内発売を表明していたペットボトル入りビールの発売を見合わせると発表した。利便性やファッション性でシェア拡大を狙ったが、リサイクルへの悪影響を懸念する消費者の声に配慮した。

　同社は七月、ボトル内部にガラス性の薄い膜をはり、ビールの大敵である酸化を防ぐ新型容器を開発。福島工場に専用の製造ラインをつくり、国内のビール大手では初めてペットボトルビールの販売に乗り出す予定だった。

　流通業者からは「軽くて扱いやすい」と評判は良かった半面、消費者団体から「環境配慮への取り組みに逆行し、安全性にも不安がある」と反発の声が起きていた。発売を発表して以来、リサイクル方法など同社への問い合わせが八百件あったという。

　同社は発売中止の理由について、「新商品をきっかけにアルコール飲料のペットボトル容器が予想以上に普及すれば、リサイクルシステムに多大な影響を及ぼす可能性があると判断した」としている。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20041001/mng_____kei_____002.shtml