2004年10月01日(金) 21時29分

大阪経済大入学辞退、授業料など返還命令…大阪高裁（読売新聞）

　大阪経済大（大阪市）の１９９９年度入試に合格し、入学を辞退した元受験生が、大学側に入学金と授業料など計６８万円の返還を求めた訴訟の控訴審判決が１日、大阪高裁であった。大谷種臣裁判長は授業料の不返還特約について「浪人生活をしたくないという受験生の心理に便乗し、不当な利益を得ようとする暴利行為で、公序良俗に反して無効」と述べ、元受験生の請求を棄却した１審・大阪地裁判決を変更し、大学側に授業料など４１万円の支払いを命じた。入学金の返還請求は棄却した。

　原告弁護団によると、２００１年４月の消費者契約法施行前のケースで授業料返還を認めたのは３件目。大学側は上告する方針。

　判決によると、元受験生は９９年３月、同大学に合格し、約７５万円を納入したが、入学を辞退。大学側からは納入金の一部の約７万円しか返還されなかった。

　大谷裁判長は判決で「大学側は入学辞退者を見越して合格者数を算定しており、元受験生の辞退による実損額はわずかなのに、返還しない授業料は不当に高額で社会的妥当性を欠く」と指摘。「大学側は財政状況を改善するため、（受験生に対する）優越的地位を利用して特約を締結させた」と判断した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041001-00000514-yom-soci