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「改正で、業者がきちんと説明する義務がより明確になりました」と村さんは話す。
訪問販売などの際、まず販売目的の訪問であることを消費者に伝えることが義務づけられた。これは高齢者を狙って「水道水を点検する」などと訪問し、浄水器などを売りつける「点検商法」が増えているためだ。
販売目的を隠して一般の人が出入りしないような個室に連れ込んで勧誘する行為も禁止した。
「この規定で、懸賞に当たったなどと言って営業所に呼び出すアポイントメントセールスや街頭で勧誘目的を隠して近づくキャッチセールス、お年寄りらを特設会場に集める催眠商法が事実上禁止になりました」
●う そ
消費者に正確な情報を与えなかった場合に、契約を取り消せるようになったことも大きい。
業者が商品の性能などについて重要なことをわざと隠したり、「木造家屋には消火器の設置義務がある」などとうそを言ったりして、消費者が誤って契約した場合は、取り消せるようになった。
消費者契約法でも同様の規定があるが「改正特商法の方が取り消しの理由にできる“うそ”の範囲が広くなり、画期的」と村さんは強調する。
契約から八−二十日以内なら無条件解約できる「クーリングオフ制度」も強化された。
悪質な業者だと、消費者がクーリングオフを求めても「工事してしまったからできない」などとうそを言ったり、脅迫したりするなどの妨害をして解約させないケースがあった。改正で、クーリングオフの妨害があった場合、業者が再度「クーリングオフが可能」という書面を出すまでと、そこからさらに八−二十日間、クーリングオフが可能になった。
●返 品
連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)も規制を強化した。ビジネスに不慣れな人が勧誘され、高額な商品を購入したり、大量の在庫を抱えたりすることがあるため、一定のルールを定めて返品できるようにした。
村さんは「信用している知人から勧められ、よく話を聞かないまま契約する人も多く、二十日間のクーリングオフだけでは不十分だった。そういった人たちの救済につながるのでは」と話す。
こうした改正も、消費者が悪質な業者に立ち向かう意志がないと生きてこない。村さんは「おかしいと思ったら、消費生活センターに電話し、対応を相談してください」と呼びかけている。
■大切な“効果”の具体化
全国消費生活相談員協会中部支部長の糟谷則子さんは「販売目的を隠して個室に誘い込んで勧誘することが禁止されたことは、特に効果がありそうです」と話す。
携帯電話の普及もあって、若者をターゲットにするアポイントメントセールスによるトラブルが一向に減っていない。最近の相談でも、二十代の男性が二十代の女性に携帯電話で呼び出され、百万円以上のダイヤの指輪の購入を契約した事例もある。
お年寄りを狙った点検商法も後を絶たない。若い男性が親切を装って屋根を調べ「このままだと家がだめになる」と言って百万円近い修繕工事の契約をさせた事例もあった。「高齢者は、孫くらいの若い男性がにこにこして家に来るだけで、いい子だと思ってしまうようです」
糟谷さんは、クーリングオフの強化も評価。「相談の現場で活用し、改正効果を具体化する必要があります」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20040930/ftu_____kur_____001.shtml