2004年09月29日(水) 03時08分
三菱ふそう、リコール隠し発覚後もヤミ改修の疑い(読売新聞)
三菱ふそうトラック・バスが今月リコールを届け出た大型路線バスの座席部品の「欠陥隠し」を巡り、分社前の三菱自動車が2002年、この欠陥が原因で2度の人身事故が発生した大阪市交通局の路線バスの計30台について、欠陥部品を改良品に交換するなどの改修をしていたことが、28日明らかになった。
三菱ふそう側はこれまで、最初のリコール隠し事件が発覚した2000年以降は、欠陥部品をひそかに交換する「ヤミ改修」を中止したと説明していたが、その後も同様の措置を続けていた疑いが浮上した。
国土交通省は、こうした行為が公共交通機関を対象に行われていた点を重視。リコールを避けて改修を行った経緯について説明を求めている。
この欠陥は、車両後部の座席部品の留め具のかかり具合が不十分なため、座席が前に倒れる恐れがあるというもの。三菱ふそうによると、大阪市交通局の路線バスで最初に人身事故が発生したのは2002年7月で、急ブレーキの際に非常口わきの座席の留め具がはずれて前に倒れ、乗客が前に投げ出されて胸や足に打撲傷を負った。
同年9月にも同じ欠陥で人身事故が発生したため、三菱自は改良品を製造。翌年2月までに同局のバス30台を改修し、数十万円に上る費用も全額負担した。
この欠陥による人身事故は、2001年以降だけでも、大阪市の2件のほか、愛媛、兵庫、神奈川県で1件ずつ発生。しかし、三菱自では、この欠陥について、品質保証部門が保安基準違反にはあたらないなどと判断したため、リコール届け出は見合わせていたという。
三菱ふそうの話「改修はユーザーから求められたので実施した。保安基準は満たしており、これが欠陥だったとは考えていない」
(読売新聞) - 9月29日3時8分更新
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