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温泉がある宿泊施設の約9割が加水や加温、浴槽水の循環をし、その8割は実態を表示せず——。温泉の入浴剤混入事件を受けて、国土交通省が全国の旅館やホテルを対象に行った温泉表示実態調査の結果が29日発表された。現在の温泉の定義は「湧出(ゆうしゅつ)した温水や水蒸気の温度が25度以上か、一定の成分を含む」とあるだけで、加水や加温の表示義務もない。同省は、温泉法を所管する環境省と協力し、基準づくりの勉強会を立ち上げる方針だ。
調査は、観光立国政策推進へ、外国人に人気のある温泉のブランド価値維持などを目的に、全国の登録旅館やホテル3124軒を対象にし、2282軒から回答があった。旅館名などの公表はしないことを前提にした任意調査という。
設問は「浴場の使用水は何か」など13項目。水道水や井戸水と答えた施設には、その事実を表示しているかも尋ねた。
調査結果では、温泉を使う施設は1310軒で、うち87%が温度調整などのため加水や加温、汚水除去のための水循環をしていた。そうした施設の79%は加水や加温実施を表示していない。
また、1290軒がパンフレットやホームページで「温泉」と表示していると回答したが、17軒はトロン温泉などの人工温泉や水道水を使っていた。今後は紛らわしい表示は「改善する」と答えている。
温泉地にあって温泉水を使っていない施設や加水・加温をしている施設のうち、それを表示していない913軒の約半数が「今後何らかの表示をする」と回答した。
調査では、施設運営者らから「どれだけ加水や加温をしたら表示すべきかの基準がほしい」との声も出た。国交省は調査結果を参考に、関係省庁と協力して温泉表示の基準をつくる考えだ。
(09/29 21:06)