2004年09月28日(火) 03時13分
「原野商法」で再被害、都が3業者を改善指導(読売新聞)
資産価値の低い原野を高値で買わされた「原野商法」の被害者が、土地の転売を持ちかけられ、再び「だまされた」と被害を訴えるケースが東京都内などで急増している。
準備費として数十万円を払ったものの、転売は進まず、再び価値の低い土地をつかまされた人もいる。都は4—8月だけで被害額が約4千万円に上るとみており、特定商取引法違反(不実告知)などの疑いがあるとして、3業者を改善指導、他の数十社の指導についても検討している。
都によると、相談が増えたのは今年4月ごろから。転売話を持ち込んできた不動産業者に、整地や測量、広告宣伝費などとして30—60万円を払ったものの、転売は進まず、業者に確かめると、「転売を約束する契約ではない」として返金を断られるケースがほとんど。同様の相談は4—8月で計77件に上っている。
江戸川区の女性(64)の被害は深刻だ。約20年前に原野商法でつかまされた北海道などの土地について、今年に入り「持っていても仕方ない。伊豆に良い土地がある」と業者に持ちかけられた。夫を亡くし、1人暮らしの女性は「昔の被害だけでも取り戻したい」と生命保険を解約、伊豆の土地を800万円で購入した。土地はこの業者が前の所有者から90万円で買ったことが分かったが、返金に応じてくれないという。
女性は「社長と営業マンから数時間説明を受けているうちに頭が真っ白になり、現地も見ずに契約してしまった」と後悔している。
(読売新聞) - 9月28日3時13分更新
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