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2004年09月27日(月) 00時00分

運転中使用の携帯電話 ハンズフリー商品、人気と危険の両面−−罰則対象外 /岐阜毎日新聞

 ◇罰則規定の対象外−−県警、通話の控え呼びかけ

 携帯電話を運転中に使うドライバーに対し、11月1日から罰則が強化される。事故を起こさなくても、使用しただけで罰金が科される。県警が取り締まりに意欲的になる一方で、人気が広がっているのが、携帯を手に取らなくても通話できるハンズフリー商品。5割増しの売れ行きで10月から売り場面積を拡大する店舗も。同商品は規制の対象外だが、危険性を指摘する声もあり、県警は運転中の通話自体を控えるよう呼びかけている。【秋山信一、米川直己】

 ◇イヤホンマイクタイプが売れ筋

 ハンズフリー商品は、あらかじめ携帯電話とつないでおけば、かかってきた電話に対し、携帯電話を取り出さなくてもハンドルを握ったままで通話ができる装置。岐阜市内の車用品販売店では、8月中旬ごろから同商品の売り上げが約1・5倍に増えた。10月からは売り場面積を4倍に拡大する。

 また、同市内の別の販売店でも、10月からこれまで店内の奥にあった同商品の売り場を入り口近くに設置する予定で、これまでの約2倍の売り上げを見込んでいる。

 売れ筋は、イヤホンマイクタイプ(1000〜2000円)で、イヤホンとマイクを一体化させ、コードで携帯電話につなぐタイプ。スピーカーやマイク、充電器付きの1万円台のものを買う人もいるという。

 イヤホンマイクを見に来たという本巣市の男性会社員(43)は「値段は意外と安い。買っておこうと思う」と乗り気だ。

 ◇道交法の改正、11月1日から

 運転中の携帯電話使用について、強化された罰則規定は、11月1日から施行される改正道路交通法に盛り込まれる。これまでは、携帯電話を使用して「交通の危険を生じさせた」場合のみ罰則があり、事故さえ起こさなければ罰せられることはなかった。ところが、11月からは携帯電話を手に持って通話したり、画面を見つめていただけで処罰の対象になる。

 反則金は▽原付バイク5000円▽普通車、二輪車6000円▽大型車7000円。容疑を否認するなどして裁判で有罪が確定すれば5万円以下の罰金となる。

 ◇運転中通話事故、昨年は97件も

 県警によると、携帯電話使用中の事故は携帯電話が普及した94年ごろから目立ち始め、98年には95件に増えた。99年の法改正で罰則が強化されたため、00年はいったん29件に減少したが、01年からは再び増加に転じ、昨年は過去最高の97件(1人死亡、負傷者155人)で、100件の大台に迫る勢い。

 警察庁によると、ハンズフリー商品は改正道交法の規制対象となっていない。しかし、ある車用品販売店の店長は「ハンズフリー商品を使用しても、運転から注意がそがれる。使用は緊急の際だけにした方がいい」と話し、県警も「大事なのは事故を減らすこと。手に取らなくても、運転中に携帯電話を使うのは避けてほしい」(交通指導課)と呼びかけている。

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/gifu/news/20040927ddlk21040027000c.html