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2004年09月25日(土) 00時00分

未承認、ネットで個人輸入横行 『のむ中絶薬』でトラブル 東京新聞

 日本で未承認の「のむ中絶薬」がインターネットを通じた個人輸入で出回り、服用した女性の一部に出血が止まらないなどのトラブルが発生、使ってはならない子宮外妊娠の女性が服用して緊急手術に至ったケースもあることが二十五日、関係者の話で分かった。

 個人輸入は薬事法の規制を受けないが、「自己判断だけで服用すれば、命にかかわる事故が起きかねない」と警告する専門家もいる。手術より手軽で安価なため国内でも広まる可能性があり、厚生労働省は被害例などの情報収集を始めた。

 厚労省監視指導・麻薬対策課などによると、妊娠初期にのんで人工的に流産させる錠剤タイプの経口中絶薬。日本では未承認だが、フランスや米国などで承認され医師の監視下で使われている。

 インターネットの個人輸入代行業者のホームページで紹介され、同課に「危険ではないか」といった問い合わせが寄せられている。値段は一万−二万円で、中絶手術代金の数分の一。

 米食品医薬品局のホームページに掲載された服用の手引によると、妊娠四十九日以内が対象で、子宮収縮剤と組み合わせて服用する。子宮外妊娠の人は使用を禁じられており、使用対象者でも百人のうち一人程度は出血量が多く手術が必要になる、としている。

 東京都内のクリニック関係者の話では、昨年秋ネットで購入した二十代の女性が「腹痛が止まらない」と受診。超音波診断で腹部内の出血と子宮外妊娠が分かり、すぐ大学病院に搬送されて開腹手術を受けた。ほかに出血が止まらないなどと受診した人も、ここ二年間に四人いたという。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040925/eve_____sya_____003.shtml