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2004年09月23日(木) 12時48分

抜け穴だらけ“ぬるま湯”許さぬ…温泉法改正へ専門委読売新聞

 長野県の白骨温泉で着色に入浴剤が使われるなど、全国の温泉で“偽装”が相次いでいる問題で、環境省は来月にも、温泉や法律、医療、観光の専門家を集めた委員会を設け、温泉法の改正に向けた検討を始める。源泉だけでなく各浴槽の湯の成分を分析して、結果の掲示を義務付けるとともに、定期的な再分析を温泉施設側に求める方針だ。

 温泉は、年月の経過とともに、成分が変化したり、源泉が枯渇したりすることがあるが、1948年制定の現在の温泉法では、利用許可時に源泉の成分を1度分析すると、再分析を行う義務はない。水を加えて薄めたり、循環させていても表示の義務はなく、偽装を生む背景になっていた。

 また、飲用の温泉では、ヒ素や水銀、鉛など6成分の規制があるだけで、水道水と比べて水質基準が大幅に甘く、基準の見直しを進める。飲用の効能についても科学的に検討する。

 同省は全国約2万か所の温泉施設を対象に、〈1〉入浴剤の使用の有無〈2〉源泉の泉質や湧出(ゆうしゅつ)量〈3〉加水、加温の有無〈4〉源泉かけ流しか循環ろ過方式か——など温泉利用の実態調査を実施しており、法改正に反映させる。

 大学教授や旅館経営者で作る温泉学会は今月4日、「温泉不祥事の原因は法の不備にある」として、温泉法の抜本改正を求める決議を採択した。同省の温泉の保護と利用に関する懇談会も6月に、浴槽ごとの成分分析などを求める中間報告を出している。

 白骨温泉で今年7月、入浴剤の使用が発覚して以来、伊香保(群馬県)など全国で、水道水や井戸水をわかして温泉と称したり、無許可で温泉を利用したりするなどの不祥事が次々に明らかになっている。
(読売新聞) - 9月23日12時48分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040923-00000102-yom-soci