悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
パソコン利用者の個人情報を収集し、広告会社などに送る「スパイウエア」と呼ばれるソフトが、パソコン利用者の中に広がっている。インターネット利用者の1割強に入り込んだとの調査もある。十分な知識がないままソフトを取り込んでしまい、画面に次々に現れる広告に利用者が戸惑うケースもあるという。ウイルス対策ソフト各社は、新製品でスパイウエア対策を強化している。
スパイウエアの代表格とされるのは米国のマーケティング会社のソフト。取り込むと、インターネットで買い物をする際に名前やクレジットカード番号などを自動的に入力してくれる代わりに、ホームページの閲覧履歴を集めて利用者が興味を持っていそうな分野を分析し、その分野に関する広告を画面に表示させる。広告(アド)を表示するため「アドウエア」とも呼ばれる。
このほか、動画・音楽再生などの無料ソフトを取り込むときに、一緒に入り込むことが多い。その際に、「個人情報を利用する可能性があります」と利用条件が表示されることが多いが、よく読まないまま導入を承諾してしまう利用者も多い。
また、悪質なものは、利用者の承諾を求めずに、ホームページのアドレスをクリックするだけで入り込む。
ウイルス対策ソフト大手のシマンテックが5月に国内のインターネット利用者1000人を対象に実施したアンケートによると、「スパイウエアがあなたのコンピューター内に知らないうちに入り込んでいると思いますか」という問いに対し、約12%が「実際に入っていた」と回答。「もしかすると入っているのではないか」との回答を合わせると、約42%に上った。
国内ではスパイウエアによる個人情報流出が、詐欺など深刻な事件につながった例はまだ報告されていないが、米国では一部の州や連邦議会が法規制に動いている。日本では今のところ「取り締まる法律はない」(警察庁情報技術犯罪対策課)という。
ウイルス対策ソフト大手のトレンドマイクロは昨年発売の製品に初めてスパイウエアの検出機能を盛り込み、今年10月発売の新製品には削除機能を追加する。シマンテックも同月、スパイウエア検出機能を持つ新製品を発売する。
◇ ◇
〈キーワード・スパイウエア〉 広告や販売促進のために、コンピューター利用者のホームページの閲覧履歴などの情報を収集して外部に送信などするソフト。ホームページを開設しているコンピューターから利用者のパソコンに送信、保存される「クッキー」と似ている点もあるが、特定のホームページだけでなくネット全体の閲覧履歴を集める点が異なる。ウイルスと違い、電子メールなどを通じて他のパソコンに感染することはない。(09/23 15:00)